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2016年7月31日日曜日

栗山ハム 痛快!死球でサヨナラ 殊勲の矢野「みんな笑いすぎ」

◇パ・リーグ 日本ハム3―2ソフトバンク(2016年7月30日 札幌D)

 痛い。でも、その痛みを超えるうれしさがこみ上げた。同点の9回2死満塁。日本ハムの代打・矢野の左腕に五十嵐のすっぽ抜けたナックルカーブが当たった。押し出し死球で、首位・ソフトバンクにサヨナラ勝ち。苦痛に顔をゆがめたが、その左腕でガッツポーズをし笑顔を爆発させた。

 「痛いけど、体を張った。まず痛い、次に勝った、3番目にみんな笑いすぎ。こういう結末は予想してなかった。恥ずかしい」。移籍後初のサヨナラ打点は、矢野らしく泥くさく決めた。この打席、五十嵐のスーパークイックに差し込まれて2球で追い込まれ「どうしようかと思った」。だが、言葉とは裏腹に落ち着いていた。続く外角の152キロを冷静に見極めると、最後は運が味方した。今季6度目のサヨナラ勝利はリーグトップ。「ファイターズは最後まで諦めない。それは移籍してきてから変わらない」。35歳が自らネバーギブアップの精神を体現した。

 主役が矢野なら、演出は岡だ。2点を追う7回2死二、三塁から千賀の初球の直球を叩き、左前へ同点2点適時打。一塁ベースを回ってど派手なガッツポーズを繰り出した3年目の25歳は「(決め球の)フォークが来たらごめんなさいと思っていた。追い込まれる前に勝負しようと思った」。9回2死一、二塁でバットを折りながら遊撃内野安打を放ち、矢野につなげたのも岡だった。

 逆転Vへ、連敗は許されない試合で見せた驚異の粘り。首位・ソフトバンクとのゲーム差を再び4に縮め、矢野はお立ち台で岡とともに「ファイターズ最高!」と絶叫した。泥くさく、王者に食らいつく。7月16勝は球団最多記録。パ・リーグをまだまだ熱くする。 (柳原 直之)

 ≪今季6度目のサヨナラ勝ち≫日本ハムは9回矢野の押し出し死球で今季6度目のサヨナラ勝ち。矢野のサヨナラ打点は巨人時代の12年10月7日DeNA戦で10回代打サヨナラ弾を放って以来。日本ハム移籍後では初だ。チームのサヨナラ押し出し死球は77年6月13日ロッテ戦の加藤、昨年4月24日オリックス戦の近藤に次ぎ3度目。2年連続でサヨナラ押し出し死球を記録したのは日本ハムが初。
(スポニチアネックス)

 野球は楽しい。
 投手は一球のミスで負け投手になるけど、打者はヒーローになれる。

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