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2016年7月23日土曜日

稀勢の里、呆然 「考えても仕方ない」夢かすむ3敗目

 念願の初優勝とその先にある綱取りの夢がかすむ。痛すぎる黒星であることは稀勢の里自身が一番よくわかっている。真っ向勝負の結果として、日馬富士に格の違いを見せつけられた。引き揚げてきた支度部屋でいつもはすぐに外す両手首のテーピングを巻いたまま、しばらく目を閉じて呆然。報道陣の問いかけに言葉を返すことはなかった。

 2敗対決は、勝てば単独首位に立てる大一番。持てる力を出し切れなかったのが口惜しい。

 立ち合いの当たりは威力を欠き、左下手、右前まわしを許す。右半身でこらえることもできなかった。挽回しようと、左の差し手を自ら抜いて肩越しに上手を狙ったが、強引過ぎる。自滅とも言える取り口で相手を呼び込んで後退し、一気に寄り倒された。

 2人はともに平成16年九州場所が新入幕。よく一緒に稽古し、番付を上げた。戦前。日馬富士が「いつも当たるのが楽しみ」と言えば、稀勢の里は「特に」と冷静だった。軍配は激しく闘志を燃やした日馬富士に上がった。

 すでに3敗。他力本願とはいえ賜杯を抱けるチャンスはまだ残されている。八角理事長(元横綱北勝海)は「考えたって仕方がない。明日は開き直っていける」と白鵬戦へ集中すべき、と説いた。

 劣勢に立たされたときこそ、真の力が問われる。(藤原翔)
(産経新聞)

 とりあえず白鵬に勝つことが大切だろう。

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