栗山監督の親心だった。できるだけ早期の投手復帰をもくろむ大谷に対して、高いハードルを設けた。
「いまのままでは、サヨナラの場面だったら絶対に走ってしまう。(全力疾走を自重)できなければ(投手として)出さない? それはそう。走塁でも見定めている」
1日の西武戦の一回に放った二塁内野安打で、大谷は首脳陣から禁止されている全力疾走をし、回復途上の右足で一塁ベースを踏んだ。全力疾走の禁止と左足でベースを踏むようにきつく言い渡したが、さらに駄目を押した。
アスリートとしての本能でもある全力疾走にNGを出してまで、栗山監督が絶対に避けなければならないと思っているのが、右足首痛の再発。その予防には、走塁改革を徹底しなければならない。大谷には、オープン戦期間中から左足でベースを踏む練習を繰り返させてきたが、いざ試合になると、長年染みついてきた癖で右足で踏んでしまうことがある。
大谷も「ゲームでどれだけ意識してできるか」と強く自覚している。投手としては復帰に向けて前進しており、開幕日の3月31日にはブルペン入りし、約30球を投げた。栗山監督も「157、8キロは出ていた。あした投げてもおかしくはないのだけど…」とマウンド復帰を願っている。だが、心を鬼にして、走塁改革が実るまでは、二刀流を再開させない考えだ。
「石川さん? やっぱりいいピッチャーだと思う。何とか打って、勝てるようにしたい」
投手復帰には厳しい条件を課された大谷だが、打者としては絶好調。西武との開幕3連戦では、打率・667、1本塁打と大暴れ。意識は4日に対戦するWBC日本代表の石川に向かっていた。昨季は2打数無安打だったが、攻略を狙っている。
「個人的にはまずまずいい状態。できることを打席でやっていきたい」
チームは開幕カードで1勝2敗。投手で貢献できないときは、打者としてベストを尽くす。
(サンケイスポーツ)
大谷が全力疾走しないためには、4番と助っ人が打たないと。
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