奈良市で参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相(67)が銃撃され死亡した事件で、流れ弾がほぼ一直線上の狭い範囲に落ちていたことが、捜査関係者への取材で判明した。殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)が試射をした別の場所でも弾痕のようなものが狭い範囲に集中。奈良県警は山上容疑者が試射を繰り返す中で、狙撃対象に確実に命中するよう精度を高めていったとみている。 安倍氏は8日、近鉄大和西大寺駅北口付近であった自民党候補の街頭演説に参加。演説中の午前11時半ごろ、南側の路上に現れた山上容疑者に後方から銃撃され死亡した。 山上容疑者は二つの金属筒をテープで巻いた手製の銃を使用。1本の金属筒の中には六つの小さな弾を込めたカプセルが詰められ、計12発を発射できる散弾銃のような構造だった。 一般的な散弾銃は、弾を発射すると広範囲に弾丸が拡散する。だが、県警が現場を調べたところ、現場北側の路上などで、弾丸の一部とみられる複数の金属片がほとんど拡散せずに見つかった。演説当日は安倍氏の隣に自民候補や地元の自民党議員らも並び、数百人の聴衆がいたが、安倍氏以外に弾丸が当たった人はいなかった。 流れ弾の一部は、安倍氏が撃たれた場所から約30メートル先の路上に止まっていた自民候補の選挙カーの看板を貫通していた。山上容疑者は安倍氏を襲う前日7日未明にも、「奈良市内の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設で試射をした」と供述。施設隣の民間ビル1階でドア付近に集中して弾痕のようなものが確認された。 山上容疑者は県警に対し、約1メートル四方の木の板を使って事件前に試射を繰り返したと供述。県警は試作した手製銃の発射を繰り返す中で、狙撃対象を確実に狙える殺傷能力の高い銃を完成させたとみて銃の製作経緯を調べている。【林みづき、吉川雄飛】
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今回の事件は許されないも、統一教会の闇に翻弄された容疑者の悲哀も理解できる。
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