「そもそも場所が悪すぎますよ。なぜ、山上容疑者が背後に忍び寄るのを許したのか。奈良県警は素人かと言いたいですね」 こう憤るのは元公安警察関係者だ。7月8日、安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され、死亡した。逮捕された山上徹也容疑者は、安倍元首相が演説中に背後から忍び寄り、わずか3メートルほどの位置から2発射撃をおこなった。 「通常、大臣クラスが地方で街頭演説する場合、最低1名以上は警視庁のSPが同行します。それに加えて、地元の都道府県警察から人員が追加されます。合計4名以上はいるはずです」(前出・元公安警察関係者) 演説の場所は、近鉄大和西大寺駅前のロータリー。360度開けた場所だった。 「場所の許可を出すのは都道府県警察ですから、まずこの場所取りについては奈良県警の責任です。犯行を捉えた動画を見る限り、安倍さんの前と横には注意が向けられていましたが、後ろは全然カバーできていませんでした。そもそも、360度カバーするのは大変なので、駅舎を背景にするなどして、警戒する場所を狭めるべきでした」 さらに、1度めの発砲があった段階で迅速に対応していれば、2発めを防ぐことはできたはずだという。 「SPが突然の発砲音にまったく対応できていませんでした。これは大問題ですよ。警護用のカバンの中には、鉄板が入っていますので、それを盾にして、安倍さんと犯人の間に割って入るべきでした。 なぜなら、身を挺して要人を守り抜くのがSPの仕事だからです。咄嗟に拳銃で打ち返すことはできなかったにせよ、守ることはできたはず。奈良県警と、警視庁SPの責任は追及されるでしょうね」 さらに、今後は選挙のあり方事態が変わる可能性があるという。 「平和ボケしていますからね。特に政治家は、選挙になると有権者とフレンドリーな雰囲気にしたいので、警備体制を緩めたがる。今後、選挙の街頭演説のやり方はがらりと変わるでしょう」
はたしてこの悲劇を防ぐことはできなかったのか。詳しい検証はこれから始まる。
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警備体制に問題ありでしょうか。
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