東京五輪への期待と円安によるお得感で、外国人の「日本買い」が広がっている。東京都心から北海道のリゾートまで、各地の路線価を押し上げている。コミュニティーをどう保つかなど、課題もあがっている。
東京・麻布十番。商店街から道路を一本入ると、住宅街にマンションが並ぶ。「大使館も近い人気地区だが、台北の半分のお金で買える」。台湾の不動産仲介大手「信義房屋(しんぎふさや)不動産」の高橋衛(ひろ)さん(27)が言う。
5年前に東京に進出した同社は、新築マンションなら総戸数の1~2割を外国人に販売する。地価高騰が続く台湾や香港、シンガポールの投資家にとって都心のマンションは「お買い得」という。東京五輪開催と円安を追い風に、当初約60億円だった取扱額が昨年は300億円を超えた。
高橋さんは6月下旬の3日間、台湾から来日した経営者家族に麻布や六本木のタワーマンションなど14カ所を紹介。1戸1億~3億円の高級物件ばかりだった。最近は、売れ筋の5千万~7千万円のワンルームや2LDKを、医師やプログラマー、投資会社の社長に販売した。
「1人で月6~8組を案内していると、日本が買われていると感じる」。国内の住宅需要に外国人の投資熱が相まって、六本木、麻布、赤坂を含む人気エリアの最高路線価は、前年より11・2%上がって1平方メートル832万円となった。
同社によると、セカンドハウスや日本に留学する子供に「億ション」を買う富裕層も増えている。何偉宏(カウェイホン)社長は「リニア中央新幹線開業など、五輪後を見据えて長期投資を考えている人も多い」と話す。
ただ、急激な地価の上昇に住民は戸惑い気味だ。麻布十番駅近くで50年以上続く八百屋の店主、後藤参夫(みつお)さん(71)は「街がにぎやかになり、昔から知っている人たちは家を貸しビルにして郊外に移った。寂しいね」と話す。2階建ての自宅兼店舗の前にも高層のワンルームマンションが建った。「これで固定資産税まで上がったら、いいことないよ」
(朝日新聞デジタル)
外国人の日本買いで、路線価押し上げか。
五輪までバブルが続くのだろう。
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