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2015年7月1日水曜日

富裕層の「出国税」きょう導入 海外移住に徴税の網

 富裕層の資産フライトに待った-。国外に居住地を移す富裕層に対し、株式などの含み益に課税する「出国税」が1日、導入される。対象は1億円以上の金融資産を持つ富裕層で、ほとんどの人には無縁。だが、アベノミクス効果による金融市場の活況で利益を手にし、海外移住を考えるお金持ちの心境には変化が生じるかもしれない。

 出国税は国内に5年以上居住していた人が海外に移住する場合、株式や投資信託などの有価証券、デリバティブ取引といった金融資産に対し、転出時に資産の含み益に特例的に課税する制度だ。すでに欧米などで導入されている。国内で実際に株などを売買して得た差益(キャピタルゲイン)には20%の所得税が課税される。

 一方、出国税は株を保有したまま国外に転出する際に、実際に株を売却していなくても、売却したものとみなしてキャピタルゲインに国税分の15%の課税を納めなければならなくなる。

 導入する背景には租税条約上、キャピタルゲインに対する課税権が居住国にあることにある。これを利用して、日本から富裕層が巨額の含み益を持ったまま、キャピタルゲインへの課税が非課税の香港やシンガポールに移住し、課税逃れをするケースが散見されるという。

 今年1月から所得税の最高税率は40%から45%、相続税も50%から55%に上がった。さらに税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の導入で、資産と所得が把握され、富裕層向けの徴税が強化されるとみられている。こうした増税を回避しようと海外移住を計画しても、出国税で網がかけられることになり、富裕層には悩ましい状況になりそうだ。
(SankeiBiz)

 海外移住を考えている富裕層には、残念な制度だろう。
 富裕層の課税強化が、消費税増税よりも先なんだろう。

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