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2015年12月26日土曜日

千葉県がんセンター:人違いで乳房切除 検体取り違え

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、県内に住む30代の早期乳がん患者について、すぐに手術の必要がないのに右乳房をすべて切除するミスを起こしたと発表した。細胞の検査結果を50代の進行性の乳がん患者と取り違えたのが原因という。センターは外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置し、来月に初会合を開いて詳しい原因を調べる。

 センターによると、10月中旬、被害に遭った30代女性の乳がんが疑われる部位の組織を針で採取して検査した。本来は経過観察していればよい早期の乳がんだったが、センターは同じ日に検査した50代女性の検体と取り違えて11月上旬、乳房の全摘手術が必要と診断。12月上旬に手術した。女性は退院しており、命に別条はないという。

 今月15日、病理医が手術で取り除いた組織を診断して10月の検査時と型が異なることに気づいた。2日後、2人の検体の遺伝子検査をして取り違えていたと分かった。一方、進行性の50代女性は10月下旬の時点で、検査結果が視診と一致しなかったことから再検査を受けていた。

 検体は診療科でホルマリン容器に入れ、患者名のラベルを張るなどした上で病理検査科に送られて組織の診断をされる。一連の過程には医師や看護師、臨床検査技師らが関与する。その間に取り違えたとみられるが、センターは「現段階でどの過程で間違いがあったか特定できていない。院内事故調の結果を待ちたい」と説明している。

 センターは、今月18〜22日に2人の患者や家族に経過を説明して謝罪した。補償などについても検討する。25日、県庁で記者会見したセンターの永田松夫病院長は「患者、家族はじめ、県民に深くおわびする。徹底的に原因究明と検証を行い、速やかに再発防止策を講じていく」と述べた。【岡崎大輔】

腹腔鏡手術問題で改革中に

 千葉県がんセンターを巡っては、2008年6月〜14年2月に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者11人が相次いで死亡する問題が昨年4月に発覚。このため今年4月、国による「がん診療連携拠点病院」の指定を更新されなかった。さらに、保険適用外の腹腔鏡手術を実施して診療報酬を不正請求していたことも明らかになり、行政処分を受けた。

 腹腔鏡手術の問題に関する県の第三者検証委員会は、センターについて「不都合な情報を表に出したくない意識の表れがあり、原因究明や再発防止に向けた取り組みを行わなかった」との報告書をまとめている。

 これを受け、センターは11例のうち8例を執刀した医師らを処分。医療事故の再発防止策を検討する医療安全管理委員会の権限を強化したり、患者が主治医以外の意見を聞けるように他病院の医師を紹介する「セカンドオピニオンセンター」を設置したりして、院内体質の改善を進めていた。センターの永田松夫病院長はこの日、「改革を進めている中での事故で大変重く受け止めている。再び起こらない体制を整えたい」と謝罪した。【岡崎大輔】
(毎日新聞)

 またしても、千葉県がんセンターか。
 誰かの単純なミスなのだろう。

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