相思相愛の両者がクリスマスイブに大きなプレゼント交換を果たした。休暇を迎え、静まり返ったドジャースタジアムのゲートを編成部門トップのアンドルー・フリードマン編成本部長と、前田健の代理人のアダム・カッツ氏、ジョエル・ウルフ氏が車で通過したのが午前10時25分。その5分後だ。後部座席に前田健を乗せたバンが続き、球場内へ消えていった。
約3時間後、姿を現した両代理人の表情が収穫を物語った。取材対応することはなかったが、カッツ氏は右手でポーズ。ウルフ氏も笑顔で手を振った。眼鏡をかけ後部座席に深く身を預けた前田健の表情はうかがい知れなかったが、大きな土産を手に球場を後にした。
14日のロサンゼルス入り以降、公の場に姿を現すことのなかった前田健が、滞在11日目に初めてドジャースタジアムに足を踏み入れた。場内ではグラウンド、クラブハウス、トレーニング施設などを視察したと考えるのが自然。クリスマス休暇を返上した球団幹部に迎えられ、球団施設をじっくり見られる環境が整っていた。95年に野茂英雄が歴史の扉をこじ開けてから、石井一、斎藤、そして広島の大先輩・黒田と日本投手の系譜が継がれてきた球場の空気を、たっぷりと吸い込んだ。
3日前の21日にもカッツ氏が同地を訪れ、球団幹部と直接交渉したばかり。電話でのやり取りではなく、いわゆる「Face to Face」で膝を突き合わせることは、交渉が進展し、最終局面を迎えたことを意味しており「交渉は全て代理人に任せています」とここまで多くを語らなかった本人も加わった。
10日の交渉解禁後から「フロントランナー」として争奪戦を終始リードするドジャースだが、ここ数日で米主要メディアでも「ドジャース最有力」の声が支配的になってきた。譲渡金を含めて総額8000万~1億ドル(約96億~120億円)とされる予算を、先発投手に使えるチームはほとんど残っていない。
前田健の交渉期間は来年1月9日午前7時(日本時間)まであり、期限直前まで時間を使うのが通例。ただ両者の交渉は既に大きく進展しており、休暇明けの28日(日本時間29日)にも何らかのアナウンスがあっても不思議ではない。「ドジャース・前田健太」誕生へ、いよいよ秒読みだ。(ロサンゼルス・笹田 幸嗣通信員)
≪マエケンのこれまで≫
▼13年12月10日 契約更改交渉の席上、球団側にポスティングシステムでの将来的な大リーグ移籍希望を伝える。「野球人生は1回しかない。絶対に後悔したくない」
▼15年11月24日 球団事務所を訪れ、今オフのメジャー移籍希望をあらためて申し入れる。「行きたい気持ちは年々強くなっている」
▼12月4日 球団がポスティングシステムでの大リーグ移籍を容認すると発表。前田健は「自分の夢を後押ししてもらい、感謝の気持ちでいっぱい」とコメント。
▼同9日 鈴木清明球団本部長が8日午前にポスティングシステム申請手続きを行ったことを明かす。譲渡金は上限の2000万ドル(約24億円)に設定したもようで、米東部時間10日午前8時に交渉解禁。
▼同14日 羽田空港からエージェントの本社があるロサンゼルスへ向け、緊急渡米。
▼同15日(現地時間14日)ロサンゼルス到着。移籍先の最有力候補にドジャースが浮上。
▼同22日(現地時間21日)代理人のアダム・カッツ氏が、ドジャースタジアムを訪問。
(スポニチアネックス)
ドジャースが最有力か。
1年目何勝できるだろうか。
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