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2015年12月20日日曜日

脱税か横領か 土地売却、宝石購入か 織田家ゆかりの寺1.5億円流用

 名刹(めいさつ)の「桃巌(とうがん)寺」(名古屋市千種区)の土地取引に絡み、住職(91)と同居する女性(68)の約1億5千万円の流用疑惑が、名古屋国税局の税務調査で浮上した。檀家(だんか)の一部から事実関係の解明を求める声が上がっており、刑事告訴を検討する動きが出ている。

 桃巌寺は2013年、寺有地2カ所を売却。売却先の業者から売却代金約2億円が宗教法人桃巌寺の口座に振り込まれたという。

 関係者によると、国税局は、代金が口座に振り込まれた直後からひんぱんに引き出され、調査前まで続いた不自然な金の動きを見逃さなかった。引き出された現金は宝石代として通信販売会社に流れ、返品して返ってきた代金が女性の口座に振り込まれていたことも判明したという。

 引き出されたのは計約1億5千万円に上り、女性は国税局に対し、「寺のいろんな修繕に充てた」と話した。しかし、業者がどこを修繕したか説明はなく、現金のありかについて返答はなかったという。さらに女性の別の口座も調べたが、大金はなかったとみられる。

 このため、国税局は「女性が土地代を宝石購入費に流用した」と判断。一方、宗教法人・桃巌寺は納税に応じ、形式的には事実関係を認めた形になっている。

 国税局の調査は半年前に終わったが、寺側は、宗教法人の役員や檀家に調査結果を説明していない。檀家の一部からは「住職の責任を求めるとともに、女性の告訴を検討すべきだ」との声も出ている。

 朝日新聞の取材に対し、住職は「もう終わった話」と答えた。

 宗教法人の税務に詳しいある弁護士は「事実なら、横領や窃盗にあたる。住職も懲戒処分の対象になる。弁護士を入れ、早く事実関係を調べるべきだ」と指摘している。

 桃巌寺は、織田信長の父信秀の菩提(ぼだい)寺。信秀は戦国時代の尾張国(愛知県)の武将で、次男信行が約450年前に建立。1714年に現在地に移転した。座高約10メートルの名古屋大仏や半裸の弁天が横たわる「眠り弁天」でも知られる。

■「自分の金で買った」「領収書ない」 介護の女性は流用否定

 同居の女性(68)は11月中旬、約1時間半にわたって朝日新聞の取材に応じ、流用について否定した。主な一問一答は次の通り。

 ――土地取引で受け取った代金約1億5千万円を宝石代に使ったのか。

 宝石は「死後の形見分け」と思い、自分の金で買った。「土地代からは出していない」と最後まで(国税局に)言った。

 ――すでに納税したのではないか?
(朝日新聞デジタル)

 流用分は、住職の給与なのか、横領や窃盗なのか。
 国税局は給与として課税している。

 

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