外務省からの要請は「日本各界から善処を求められており、要請を真摯(しんし)に考慮してほしい」との内容で、17日の公判で裁判長が判決言い渡し前に読み上げた。
『日本側の要請を斟酌(しんしゃく)することを望む』
韓国外務省当局者は判決後の17日夜、日本側記者団を集めて経緯を説明。「数日前、法務省に『日本側の要請を斟酌(しんしゃく)することを望む』との立場を伝達した」と明らかにした。有罪判決で関係改善の流れを壊したくない日韓外交当局が事前にすり合わせた対応とみられ、意向は法務省から裁判所に伝えられた。
「起訴から判決まで『政治介入』に振り回された事件だった」
こうした「圧力」が判決にどう影響したかは即断できないが、18日付の韓国紙、京郷新聞は社説で無罪判決を評価しつつ、外務省の要請を「司法権の独立を否定したものだ」と批判した。日本の有識者からも「起訴から判決まで『政治介入』に振り回された事件だった」と皮肉が漏れる。
司法当局への要請について韓国外務省当局者は「これも仕事の一つだ」とむしろ外交努力と胸を張る。ソウルの弁護士は「政府が裁判所に『外交的配慮を優先しろ』と言ったことになる。無罪判決は当然だが、司法への介入を政府が公式表明する先進国はないのではないか。恥ずかしいことだ」と話す。
=2015/12/19付 西日本新聞朝刊=
先進国ではないのだろう。
裁判官が、司法介入を最初に説明したことは、よほど腹を立てたのだろう。
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