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2015年7月25日土曜日

概算要求基準 「青天井」を正すべきだ


 政府が決めた二〇一六年度予算の概算要求基準は、歳出全体の上限も設けない緩い内容だ。財政再建と経済成長の両立を目指すとしながら、実態は参院選を控え不人気な歳出抑制から逃げた格好だ。

 概算要求基準は、各省庁が八月末までに予算要求する際の指針で、本来は天井を意味する「シーリング」と呼ばれ、歳出の上限を示すのが役割だ。例えば、小泉政権は歳出規模が前年度以下とする方針を明確にした。

 ところが第二次安倍政権の発足以降は歳出全体の上限は設けず、シーリングの役割は形骸化している。三度目となる予算編成でも、このやり方が踏襲され、歳出膨張を防ごうとの姿勢は見られない。

 先月末に中長期の財政運営方針として決めた「骨太の方針」は、身内の自民党から「当てにならない成長を当てにして、雨乞いをして…」(稲田朋美政調会長)と批判されたように、甘い成長見通しに基づく税収の大幅増に期待をかける内容だった。

 その骨太方針では「各年度の予算編成は経済情勢に応じて柔軟に対応する」と明記し、予算の自由度を失いたくない政権の意向を示した。だが、柔軟な対応というのは財政規律を疎(おろそ)かにしていいということではないはずだ。参院選対策で歳出圧力が強まった時に歯止めがきかないおそれが拭えない。

 今回の概算要求基準のポイントは、少子高齢化で膨らみ続ける社会保障費は前年度当初予算比で六千七百億円増まで認める。

 公共事業など政策に充てる裁量的経費については同10%減としたが、成長戦略を推進するための予算ならば別途要求を認めるとした。この「推進枠」は三・九兆円にも上る。「予算を最大限獲得することこそ省益」と信じる官僚の行動原理からすれば、この推進枠に各省庁横並びで目いっぱい予算要求することは目に見えている。

 その結果、八月末の各省庁の要求総額は二年連続で百兆円を突破する公算が大きい。上限を設けない青天井のような要求基準では、歳出は膨らむばかりだろう。推進枠から漏れた事業を補正予算で復活させるのも慣例化しており、財政再建の道は見えない。

 「骨太の方針」で明らかになったように、甘い成長見通しを前提にしても二〇年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政再建目標には届かない。その現状に危機感を持つべきだ。まさか最後に増税で帳尻を合わせれば済むと思っているのか。
(東京新聞)

 ギリシャの財政状況より、日本は悪い。
 本来であれば、日本もギリシャ並みの緊縮財政が必要である。

 毎年5〜10%の歳出削減し、好景気による税収増加により、5年後に収支が黒字化するような努力が必要だ。

 

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