ページビューの合計

2016年2月14日日曜日

北朝鮮拉致再調査中止 九州の被害者家族ら非難「今後も毅然と対応を」

 拉致被害者らの再調査を実施している北朝鮮の特別調査委員会解体について、九州の拉致被害者家族らからも非難の声が相次いだ。被害者の帰国がさらに遠のく可能性もあるだけに、家族は先行きへの懸念とともに、政府に毅然(きぜん)と対応するよう求めた。(谷田智恒、高瀬真由子)

                   ◇

 「ショックで昨日は眠れない夜を過ごした。やっぱり北朝鮮は何も変わっていなかった」

 昭和53年8月に鹿児島県から北朝鮮に連れ去られた増元るみ子さん(62)=拉致当時(24)=の姉、平野フミ子さん(66)は13日、福岡・天神で街頭に立ち、涙声で訴えた。

 拉致被害者の支援組織「救う会福岡」の街頭活動に参加した。平野さんは「ここまできたからには、さらなる経済制裁しかない。日本政府はひるんだら負けだ」と語り、政府を動かすための世論の高まりを期待した。

 救う会福岡の馬場能久代表は「ずっと同じことの繰り返しだ。政府はもっと圧力を強め、解決の糸口を探ってほしい」と求めた。

 核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射に続く北朝鮮の暴挙に、家族の怒りは収まらない。

 熊本市出身の拉致被害者、松木薫さん(62)=同(26)=の姉、斎藤文代さん(70)は「家族の救出がさらに遅れ、拉致問題の解決が遠のくことになった」と落胆した。「政府が制裁強化を打ち出したが、対話の道も探ってほしかった。家族は年老いていくばかり。何とかスピード感を持って結果を出してほしい」と述べた。

 昭和53年8月に鹿児島県から北朝鮮に連れ去られた市川修一さん(61)=同(23)=の兄、健一さん(70)は「独自制裁に対し、再調査中止などの動きをしてくるだろうと覚悟はしていた」と無念の表情を浮かべた。

 再調査が決まったストックホルム合意から1年半以上経過したが、調査に進展は見られなかった。健一さんは「北朝鮮のペースで進む交渉のままでは被害者は帰国できない。政府は制裁を強めた上で、さまざまな分野の専門家を入れて知恵を絞り、問題解決に向け毅然(きぜん)とした態度で臨んでほしい」と注文を付けた。
(産経ニュース)

 北朝鮮の対応は最初から予想できたのに、日本政府の経済制裁緩和のやり方が誤っていたのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿