本日発表のプレスリリースによれば「(株)本田技術研究所にて開発・製造・運営等の領域全般を担うF1プロジェクト総責任者には、新井康久に代わって長谷川祐介が就任いたします」。
F1関連人事、新井氏の交代だけに留まっていない。まず今まで明確にされていなかった『F1担当』が新設された。このポジション、驚くことに4月1日付けで本田技術研究所社長となる松本宜之氏である。
ホンダの技術開発を率いるトップ自らF1を担当するということ。ホンダの強い意志の表れだ。
それだけではない。本社サイドでF1に取り組むモータースポーツ部の部長に、F1の造詣が深い(単に深いと言うより競技の本質を知っている)山本雅史氏を就任させた。
何度も書いてきた通り、大メーカーであっても基本は「人」である。現時点で考えられる最強の人をF1担当にしたと思ってよい。
一方、2月22日からスペインのバルセロナでF1合同テストが始まっている。まともに走れなかった昨シーズンと違い、今年は初日から75ラップを走り、全チームの中位くらいのタイムを出している。
意外や意外。テストのコメントも新井プロジェクトリーダーだけではない。すで変わり始めている?
もちろん体制が変わったからといってすぐに勝てるほどF1の世界は甘くない。ただ今シーズンのホンダF1パワーユニット、昨シーズンと大きく変わっているようだ。
一番の違いは過給器か?昨シーズンはジェットエンジンと同じ軸流式を採用していたと考えられるが、今シーズンから普通のターボにした模様。
結果、パワーユニットの絶対的なサイズが一回り大きくなったようだ。つまり「成功すれば素晴らしい武器になる技術を止め、ライバルと同じにした」ということ。
戦い方としてはオーソドックス。モータースポーツで代打逆転満塁ホームランを夢見ても難しいということだろう。とはいえ、昨シーズンまでのホンダF1と全く違う雰囲気になることは間違いない。
少なくとも現状を全く認識していないようなコメントを聞かされることなどないだろう。そして早ければシーズン中盤から速さも出てくると期待していい。
ホンダF1の本格的な復帰は今年です。
[Text:国沢光宏]
(オートックワン)
今シーズンにかけるホンダの本気が伝わる指揮官交代だろう。
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