建設現場で、足場らしきものを運ぶ作業員たち。
よく見ると、その中に、アジア人とおぼしき複数の人影が。
さらに、どこかで見たような独特のタッチで、死屍(しし)累々の様子を描いた絵画。
そして、こちらも見覚えのある、独特のポーズをとる巨大な銅像。
宮塚コリア研究所の宮塚利雄代表は、「非常に貴重な映像だと思う」と話し、国連北朝鮮人権問題委員会・カービー元委員長は、「ナミビアで北朝鮮の強制労働があると指摘された報告は見たことがない」と語った。
国連の専門家も、初めて耳にした事実。
日本やアメリカが、厳しい経済制裁を科す中、核やミサイル開発を続ける北朝鮮。
その資金獲得作戦の一端が、FNNが入手した映像により明らかになった。
アフリカ南西部の人口およそ230万人の小さな国、ナミビア。
主要産業は牧畜だが、ダイヤモンドなど天然資源が豊富で、アフリカの中では、政治的にも経済的にも、比較的、安定した国とされている。
そのナミビアを2015年夏に旅行した人物が撮影した映像。
一見、何の変哲もない建設作業現場だが、よく見ると、作業員の中に、複数のアジア人らしき姿が。
彼らは、しきりにカメラを気にしていた。
「どこから来たのか」、撮影者が尋ねたところ、労働者の1人は「北朝鮮から来た」と答えた。
実は、この作業員は、北朝鮮から来た労働者。
北朝鮮によるナミビアへの労働者派遣は、国連も把握していない。
FNNが入手した、この映像により、北朝鮮が、本国から1万3,000km離れたアフリカの地に労働者を派遣し、外貨を獲得していることが、初めて映像で裏づけられた。
同じ旅行者が撮影した写真には、体格のよい北朝鮮の労働者や、現地の作業員と談笑する労働者が収められていた。
仕事中、携帯電話を自由に使う様子も。
作業現場は、首都ウィントフーク近郊。
周辺に掲げられた看板には、「偉大なる金正恩(キム・ジョンウン)同志を首班とする党中央委員会を命がけで死守しよう」とあった。
映像を見た宮塚コリア研究所の宮塚利雄代表は、「北朝鮮は、この数年来、アフリカに進出している。外貨を稼ぐために労働者を派遣している。金正日(キム・ジョンイル)政権では、だいたい2万人から3万人といわれていた。これが、金正恩政権になって、倍以上の5万人から6万人ともいわれている。こういう労働者を派遣して搾取する」と語った。
宮塚氏によると、北朝鮮は、1970年代以降、国連に加盟するため、アフリカ諸国と積極的に国交を結んでいて、そのつながりが、労働者派遣につながった可能性があるという。
資金獲得作戦は、労働者の派遣にとどまらない。
ナミビアの首都で撮影された写真。
手を高らかに上げたポーズをとる銅像。
北朝鮮のピョンヤンにある、故金日成(キム・イルソン)主席と、故金正日総書記の像にうり二つ。
さらに、ナミビアの美術館で撮影された絵画。
独特のタッチで、死屍累々の様子を描いている。
この絵画も、北朝鮮で目にする作品とタッチが同じ。
これらの銅像や絵画は、マンスデ(万寿台)創作社という、北朝鮮の工房が製作したもの。
2013年には、金正恩第1書記が、マンスデ創作社を訪問し、直接、指導していた。
北朝鮮の絵画をめぐっては、2007年、イタリアで開催された絵画展で、1枚およそ700万円で売り出されていたことが、FNNの取材で明らかになっている。
巨大な銅像は、さらに高価なものだった。
宮塚コリア研究所の宮塚代表は、「20メートルの銅像を別の人が見て、同じようなことを言っている。何万ドルとか、莫大(ばくだい)なお金がかかると思う」と語った。
北朝鮮の外貨獲得手段といえば、中国やカンボジアにある、北朝鮮レストランが有名。
それに加えて、労働者、銅像、絵画など、アフリカでの外貨獲得作戦で得た資金も、北朝鮮は、核やミサイルの開発に充てていたのか。
FNNの直撃取材に対し、国連北朝鮮人権問題委員会・カービー元委員長は、「北朝鮮に流入する外貨は、核開発のための大切な資金として使われている。北朝鮮からの強制労働者が、ナミビアにいるとの報告は、まだ目にしていない。ゆえに、そのケースは特別なケースであり、特別報告者に報告されるべきもので、今後、調査するべきだ」と語った。
ナミビアの歴史博物館で撮影された1枚の写真。
ナミビアの首脳と、中国の江沢民元国家主席など、各国首脳の写真が掲げられる中、どの国よりも、大きくセンターに掲げられていたのは、金の額縁に納められた金日成国家主席との2ショット写真だった。
アフリカ進出をひそかに進める北朝鮮。
核やミサイル開発を進める彼らの暴走を止めるには、その資金源を断つことが、極めて重要となる。
(フジテレビニュース)
日本では、パチンコ店が脱税し、北朝鮮に流れているのだろう。
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