個人消費の落ち込みは、暖冬による冬物衣料などの不振もあるが、賃金の伸び悩みの影響が大きい。物価変動の影響を除いた実質賃金は15年通年で前年比0.9%減。10~12月期も横ばいだった。円安などを背景に企業業績は好調だが、賃金の上昇を通じて消費を拡大するという、安倍晋三政権が目指す「経済の好循環」の実現は遠いのが実情だ。
設備投資は2期連続で増加したものの、中国の減速など世界経済の変調は、日本企業の業績にも影を落とし始めている。SMBC日興証券のまとめでは、東証1部上場企業の15年4~12月期の最終利益は前年同期比5.8%増だが、10~12月期に限ると9.8%減と急激に収益が悪化。企業の投資意欲が下押しされる恐れがある。
また、年初からの世界的な金融市場の動揺はいまだ収まっていない。日銀はマイナス金利の導入を決定し、動揺を鎮めようとしたものの、株価の下落や円高の進行に歯止めをかけることはできなかった。15日の東京株式市場は、前週末の欧米市場の株価上昇を好感して大幅に反発したものの、春節の休場明けの同日の中国・上海市場は大幅に下落して取引が始まるなど、不安定な市場の動きは解消されていない。
世界経済の減速懸念や金融市場の動揺に対して、政府や日銀の打つ手は限られており、市場では、先行きの景気も「当面は緩やかな回復にとどまる」(斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所経済調査室長)との見方が大勢だ。【横田恵美】
(毎日新聞)
アベノミクスに期待も、失敗だろうか。
個人消費の低迷は、消費税増税・円安による物価高が影響しているだろう。
さらなる消費税増税で、景気低迷が長期化するのだろうか。
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