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2016年2月8日月曜日

大谷翔平 【MLB】米野球誌がキャンプ中の日ハム大谷“徹底解剖” 「世界で最も才能ある一人」

野球専門誌「ベースボール・アメリカ」が特集、大谷は「直球王子」「ロックスター」
 米野球専門誌の「ベースボール・アメリカ」(電子版)が、米アリゾナ州でキャンプを行っている日本ハム・大谷翔平投手について、大々的に特集を組んでいる。将来的なメジャー移籍に注目が集まる二刀流右腕を“徹底解剖”。その能力を絶賛している。

同誌は「パドレスの施設でショウヘイ・オオタニに人だかり」のタイトルで、記事を掲載。パドレスのキャンプ施設で行われている日本ハムキャンプを訪れ、本人への取材も行っている。

 記事では、日本ハムが選手とコーチを含めて100人ほどの大所帯でアリゾナに来ていることを紹介。「それでも、練習を観察する日本からのメディアや数百のファンの興味の大半は一人の男に注がれている」と大谷への注目度の高さに言及している。

 大谷について「時に“直球王子”と紹介される21歳」として、米国でスター選手を形容する際に使う「ロックスター」であるとも表現。恵まれた体のサイズに触れつつ「世界で最も才能のある投手の一人だ」と断言している。

 さらに、2014年にはベーブ・ルース以来となる2桁勝利&2桁本塁打を達成した二刀流右腕が、打者としても高い能力を持っていることを紹介。「仮にメジャー球団の望みが叶いオオタニがメジャー入りすれば、彼は二刀流をほぼ確実に諦めねばならない」としつつ、大谷自身がそれについて現時点では気にしていないと指摘。本人が同誌の取材に対して、通訳を介して「今はその決断はできません。二刀流であろうと挑戦していきます。(中略)今はそれしか言えません」と話したことも伝えている。
投手・打者の両方で高い評価、ダルビッシュの背番号11を受け継いだことも紹介
 大谷は現地で行ったフリー打撃で、パドレス関係者に衝撃を与えた。メジャー通算通算1713安打、打率2割9分5厘をマークしたマーク・ロレッタ氏(ベースボールオペレーション特別補佐)は「才能あふれる打撃とパワーは素晴らしい。投手だけに専念させるのはもったいない」と絶賛。同誌も「軽く打ったように見えるボールが右中間・左中間のフェンスを軽々と柵越えしていった」と記事で記している。

 さらに、投手としてスカウト陣から極めて高い評価を受けていることを伝えた上で「彼の投球内容は年々進化している」と言及。昨季は15勝、防御率2.24、196奪三振を記録したことを振り返り、「直球はコンスタントに90マイル後半(150キロ台後半)を記録し、かつて日本とMLBでプレーしたマーク・クルーンと並び日本最速となる101マイル(約163キロ、実際には162キロ)をマークしている」と特筆。スライダー、フォーク、カーブといった球種を持つことにも触れている。

 では、同誌の記者は大谷の投球を実際にどう見たのか。2度のブルペンから「完成されたフォームであり、なおかつ強さを加えられるものだ」と答えを導き出している。実際の大谷からも確かな実力を感じたようだ。

 記事ではさらに、大谷の背番号11はかつてダルビッシュ有(レンジャーズ)が付けていたことにも言及。「ダルビッシュ投手は非常に有名な投手です。自分がチームに加入した際、とても誇りに感じました。その一方で彼の背番号を引き継ぐことに少し不安も感じましたが、今は気に入っています」という本人のコメントも紹介している。
「大谷のMLB挑戦は、多くの球団から熱狂的な関心を集めることになる」
 米国内での関心は、圧倒的な能力を証明し続ける大谷が、いつ海を渡るかという点に集まっている。現時点で米国でもエースになれると高く評価する声もあり、メジャー球団はメジャー挑戦の時を待ちわびている。実現すれば、大争奪戦となることは確実だ。

 同誌も「目下の疑問はいつ大谷がダルビッシュと同じ道を歩みMLBへ挑戦するかということだ」と指摘。現在は上限2000万ドルとなっているポスティングシステム(入札制度)の譲渡金以上の価値が大谷にはあると見ている。

「MLBでもローテーションの上位を務めるポテンシャルを秘めた大谷のMLB挑戦は、多くの球団から熱狂的な関心を集めることになるだろう。しかしながら、日本ハムはポスティングで得られる金額以上の価値を秘めた大谷をポスティングにかけて放出することを渋るかもしれない」

 このように指摘。確かに、現在のポスティングシステムで譲渡金に上限が設けられていることは、日本ハムにとって悩ましい問題と言えるかもしれない。2013年に24勝0敗1セーブ、防御率1.27という現実離れした成績を残した田中将大(ヤンキース)がメジャー挑戦を表明した時も、楽天は苦渋の決断を迫られた。

 ただ、“生大谷”を見たメジャー関係者は、その圧倒的な能力にすでに虜の様子。記事では、パドレスのグリーン監督が「彼には間違いなく天賦の才能がある。彼がそうでなければ、こんなにも大谷の噂がでてきてはいないはずだ。彼は多くの才能を秘めている」と絶賛したことに触れている。

「2週間の間、大谷はアメリカを体感し、アリゾナの野球ファンは大谷を体感する。大谷はこの期間を最大限に活かすつもりのようだ」

 同誌はこのように伝えている。今回のアリゾナキャンプでの経験が、大谷の更なる成長の糧となることは間違いなさそうだ。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count
 いつ海を渡るのか。

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