国土交通省と県などは4日、東日本豪雨で甚大な被害が出た県内での対策をまとめた「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を発表した。今年度から平成32年度までに約600億円かけて鬼怒川や八間堀川に堤防を整備するほか、避難指示を発令するタイミングなどを定めた行動計画「タイムライン」を、鬼怒川沿岸の7市町が主体となって作成する。これにより、同規模の豪雨が起きた場合でも、被害を出さないようにする。
現在、県内で約17%しか整備されていない鬼怒川の堤防は、平成33年3月までに約580億円をかけて約93%を整備する。常総市三坂地区の決壊した区間に加え、結城市から常総市までの堤防から漏水した19地点は優先して整備し、29年3月の完成を目指す。このほかの区間も、33年3月までに堤防の新築やかさ上げ、川底の掘削などを行う。
常総市内の3カ所で決壊した八間堀川や周辺の7河川では、30年3月までに約23億円をかけて堤防のかさ上げなどを行う。
記者会見に臨んだ国交省関東地方整備局の出口桂輔河川計画課長は「9月と同規模の豪雨が発生しても、安全に水を下流に流すことができる」と強調。その上で「鬼怒川は河川の中にも民有地がある。用地買収など、住民や市町の協力も得ながら着実に整備を進めたい」と語った。
「タイムライン」は常総市で避難指示が遅れたことの反省を踏まえたもので、鬼怒川沿岸の結城市、筑西市、下妻市、八千代町、常総市、つくばみらい市、守谷市が主体となって、来年5月までに作成する。
このほか、同プロジェクトには、市町や水防団、地域住民などと河川の危険箇所を共同点検することや、ハザードマップを活用した避難訓練を積極的に行うことを盛り込んだ。
今回のプロジェクトはハード面とソフト面が一体となっているのが特徴で、石井啓一国交相は4日の記者会見で「このような国、県、市町が一体となった取り組みは、今後の他の河川での取り組みのモデルになる」と述べた。
(産経ニュース)
現実に災害が起こらないと、プロジェクトが進展しない。
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