今季限りで退団したマートンと同じ名前はマット。来日前のインパクトはヘイグの圧勝だ。昼前、西宮市内の球団事務所が騒然となった。
「あら、でてるやん!!」
インターネットをチェックしていた球団職員が思わず叫んだのは、虎のユニホームを着て笑顔をみせるカップルの写真だ。その主こそ、虎の新助っ人ヘイグ。手にはトラッキーのぬいぐるみ。横にいるのは11月21日に結婚式を挙げたばかりの夫人のエリカさんだった。現地時間11月30日に米ルイジアナ州ニューオーリンズのホテルで契約書にサインしたときのショットだ。
球団ではこの日午後5時に発表予定だったが、約7時間のフライング。あまりのうれしさを誰かに伝えたかったのだろう。契約した直後に自身のツイッターで、こうつぶやいたのだ。
「正式に契約。私は阪神タイガースの一員になった」-。これが日本では1日午前。当然、その文章は海を越えて日本にも伝わる。高野球団本部長も「そのようですね。まあ、合意しました」と苦笑いだ。予定通り、午後5時前にヘイグとの契約が発表され、喜びのコメントが寄せられた。
「以前から日本の野球に興味をもっていたので、たいへん幸せに思います」
いきなり超ド級のインパクトを残したが、実力のほうも大丈夫だ。金本監督がビデオを見て、「この選手でいきましょう」と太鼓判を押したのだから。今季、ブ軍傘下3Aバファローで打率・338、11本塁打、92打点。広角に打ち分ける右の中距離打者だ。3Aでは今季を含めて最多安打を3度マークしている。関係者は「超ロングヒッターではないが、日本の狭い球場ならそこそこ打ってくれるはず」と期待する。マートンに代わる5番打者として楽しみな存在だ。
最大の利点は三塁だけでなく外野、一塁もこなせること。阪神の補強ポイントにピタリと当てはまる。高野球団本部長も「監督が使いやすいように使ってもらえれば」と説明した。基本は三塁だが、江越やドラフト1位・高山俊外野手(明大)に万が一があれば左翼もOKという触れ込みだ。
「しっかりと体をつくり、早めに来日して(2月1日からの)キャンプに備えたいと思っている。ファンのみなさん、応援よろしくお願いします」
マートンは来日1年目の2010年に214安打を放ち、イチロー(オリックス)を超えるシーズン通算安打記録(当時)を達成し、虎党を驚かせた。入団発表で来日前にサプライズを起こしたヘイグ。次はバットでサプライズをみせる。
(サンケイスポーツ)
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