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2016年3月13日日曜日

<大森学園高>公立中教諭90人を接待 入試説明会で酒提供

 東京、神奈川、千葉3都県の公立中学教諭ら約90人が昨年10月、私立大森学園高校(東京都大田区)の入試説明会で図書カードや飲食接待を提供されていたことが分かり、3都県の教育委員会などが調査を始めた。公務員に利害関係者から金品や接待を受けることを禁じた服務規定に反する疑いもあり、教諭らの処分も検討している。

 説明会は同月5、6日の両日、校舎8階の食堂で開かれた。5日は神奈川県内の中学教諭ら約40人、6日は東京都と千葉県内の約50人が参加した。

 複数の出席者によると、午後6時ごろ始まり、高校側が入試基準などを説明。午後7時から同所で懇親会となり、中学教諭らに2000円相当の弁当や軽食のほか、ビールや焼酎、ウイスキーなどがふるまわれた。6日の説明会では懇親会後に校外の居酒屋で2次会を開催。中学教諭十数人と高校教員が参加し、飲食費は高校側が全額負担した。両日とも中学教諭には2000円相当の図書カードが配られ、大半が受領。高校は当日、自習室を早めに閉鎖するなどして全校生徒を午後7時までに下校させた。

 東京都は「利害関係者との接触に関する指針」で教職員が利害関係者から金品や供応などを受けることを禁じ、他の自治体も同様の服務規定を設け、違反すれば懲戒処分を受けることもある。都内の中学教諭は「高校側から『いい生徒を送ってほしい』という話もあった。便宜を図ることはないが脇が甘かった」と話し、図書カード代など5000円を高校に返却。高校側の関係者によると、こうした接待は20年ほど前からあったという。

 都教委は接待が常態化している疑いもあるとみて調べ、港区教委は「高校には生徒を集めたい意図があり、金品などの受領は不適切」として1人当たり最大8000円分を返還させた。横浜市や千葉県市川市などの教委も参加者に注意し、返還させたという。

 大森学園高校は1939年に工業学校として創立。戦後は長らく男子工業高校だったが2005年に現校名に改め、普通科を設置。普通科はその後男女共学となり特進コースを設置するなど大学進学にも力を入れている。【藤田剛】

 ◇費用負担は不適切

 大森学園高校の畑沢正一校長の話 説明会が夜までかかるので食事を出したが、お酒や2次会の費用負担は不適切だった。図書カードは交通費。接待をして受験を依頼する目的ではなかったが、判断が甘かった。今後はやめるつもりだ。
(毎日新聞)

 私立高校からの、中学教諭への接待は、日常茶飯事だろう。

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