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2016年3月27日日曜日

ホンダ「ステップワゴン」まさかの苦戦の理由

 ホンダが昨年4月に発売した5代目に当たる「ステップワゴン」が、思わぬ苦戦を強いられている。

 日本自動車販売協会連合会が発表した2015年の新車乗用車販売台数の月別ランキングから、同クラスのミニバンの下半期(7~12月)の数字を集計すると、直接のライバルとなるトヨタ自動車「ヴォクシー/ノア/エスクァイア」の3兄弟が計9万7540台、日産自動車「セレナ」が2万6921台に対し、ステップワゴンは2万9504台とトヨタの3兄弟に大きく水を空けられているだけでなく、2010年登場でモデル末期の現行セレナと拮抗している。

■ モデル末期の日産「セレナ」の後塵排す

 今年2月の車名別販売台数でもステップワゴンは5684台でトヨタの3兄弟(計1万5858台)はおろかセレナ(6569台)の後塵も拝してしまった。

 1996年に登場した初代ステップワゴンは、横置きエンジンで前輪駆動、背が高く床の低い箱型キャビンという、現在の売れ筋ミニバンの定型を確立した画期的な車種だった。それまでの日本のワンボックス(1BOX)車は、エンジンを座席の下に置いて後輪駆動とする「キャブオーバー」と呼ばれるタイプが主流だったからだ。ステップワゴンは1997年から3年連続でミニバン新車販売台数第1位になった。

 2001年に登場した2代目は、トヨタや日産から競合車が登場したためもあり、頂点に君臨することはなく、全長を短く、全高を低めた3代目も支持はいまひとつだった。しかし2009年10月にデビューした4代目は、原点回帰の設計思想が評価され、2010年に再びミニバンナンバー1に返り咲く。

 しかし、今回の5代目ステップワゴンは新車投入から1年も経っていないのに初代や4代目のような新車効果が感じられない。いったい、なぜなのか。


 筆者は昨年のゴールデンウィーク明けに行われた、ステップワゴンの報道向け試乗会で、開発者から聞いた話を思い出した。

 彼によれば、ステップワゴンが属する5ナンバー2リッタークラスの背高ミニバンでは、奥様方の井戸端会議が売れ行きに大きな影響を持つという。予想どおり、購入の主導権を握っているのは奥様方だった。近所の公園などでの井戸端会議で、意外にも車談義がしばしば行われるそうだ。

■ 購入主導権を握る奥様が重視する車の性能

 スタイリングやハンドリングが話題に上ることはほとんどない。メインテーマは価格と燃費と使い勝手だ。多くの家庭で同じクラスのミニバンを所有し、子供たちのスポーツの試合などのときに、交代で出動するのだという。

 「好きな車を買えばいいのに」と思う人もいるだろう。しかし周囲に合わせた行動を取らないと、仲間外れにされてしまう可能性もあるのが、今の日本社会の良からぬ傾向であることもまた事実である、

 井戸端会議でどれだけ点数を稼ぐかが、このクラスのミニバンの売れ行きを左右する。それが多彩な収納スペースや定員以上のカップホルダー、簡単なシートアレンジといった現行の5代目ステップワゴンが打ち出した「おもてなし」に行き着いているのだと思った。

 しかしそれだけでは横並びであり、ライバルのノア/ヴォクシー/エスクァイア、セレナを引き離すのは難しい。そこでホンダが現行ステップワゴンに盛り込んだのが、ターボエンジンの投入だった。

 これまでの2リッター自然吸気エンジンに替え、1.5リッターターボを搭載した。欧州車では主流となっているダウンサイジングターボを、国産ミニバンにいち早く取り込んだのである。ただこの決定に、筆者は賛同しかねていた。

 前述したように、燃費を重視する傾向の強い奥様方には、ハイブリッドのほうが理解してもらいやすいと思ったからだ。ダウンサイジングターボも燃費向上に効果はあるが、国産車には最近になって投入された技術であり、一般ユーザーへの知名度はいま一つだ。
(東洋経済オンライン)

 最近購入したが、走り・使い勝手は悪くない。
 売れない理由は、ハイブリッドでない燃費の悪さとスタイリングだろう。

 

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