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2016年9月17日土曜日

アップルiTunes「120億円追徴課税」の構図 東京国税局の指摘を受け入れて全額納付

 米アップルの子会社で日本法人の「iTunes(アイチューンズ)」(東京都港区)が、iPhone(アイフォーン)などで視聴する音楽・映像のインターネット配信を巡って東京国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘され、約120億円を追徴課税されていたことが、関係者の話でわかった。

 同国税局は、同社からアイルランドのアップル子会社に移っていた利益の一部はソフトウェア使用料にあたると認定し、源泉所得税を日本に納める必要があったと判断。同社は指摘を受け入れて全額を納付した。

 問題となったのは、アイルランド子会社が著作権を保有していた音楽・映像配信サービス「iTunes」のソフトウェア使用料。

 日本では、アップルジャパン(港区)が国内ユーザー向けにiPhoneなどのアップル製品を販売し、ユーザーは同サービスを利用する際に、iTunes社に対して手数料などを支払っている。iTunes社は本来、同サービスで得た利益をソフトウェア使用料の形でアイルランド子会社に支払う必要があった。

 日本の所得税法などでは、日本法人が外国法人に使用料を支払った場合、支払額の20.42%を源泉徴収して納税しなければならない。だが関係者によると、東京国税局の税務調査の結果、iTunes社はアイルランド子会社に対し、使用料としての支払いをしていなかったことが判明した。

 一方、iTunes社はアップルジャパンに対し、使用料とは別の名目で多額の支払いをしていた。さらに、アップルジャパンは、シンガポールのアップル関連会社を経由してアイルランド子会社からiPhoneなどを買い取っており、同国税局が仕入れ値を確認したところ、使用料相当額が製品自体の価格に上乗せされてアイルランド子会社に流れていたという。

 同国税局は、一連の支払いの流れが、iTunes社のアイルランド子会社に対する使用料支払いに当たると判断し、使用料の額を2014年までの約2年間で約600億円と認定。iTunes社に対し、源泉徴収漏れを指摘した。

 一連の支払いが使用料であっても、iTunes社からアイルランド子会社に移った利益の規模は変わらないため、iTunes社が日本で課される法人税額に影響はない。

 iTunes社は、読売新聞の取材に対し、「ノーコメント」と回答した。

 iTunes社は日本での音楽配信事業を目的に、05年に設立。15年9月期の売り上げは1522億円。
(読売新聞)

 著作権の使用料の支払いを、別の名目で支払いか。

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