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2016年9月16日金曜日

稀勢の里にノルマ!横審・守屋委員長、残り10日間“全勝指令”

◆大相撲秋場所5日目 ○稀勢の里(寄り切り)貴ノ岩●(15日・両国国技館)

 東大関・稀勢の里に残り10日間の“全勝指令”が出た。この日、本場所総見した横綱審議委員会(横審)の守屋秀繁委員長(75)が、たとえ優勝しても12勝以下では昇進の是非を巡って紛糾することを懸念。18年ぶりの和製横綱誕生へのノルマを提示した。取り直しの末に無敗を守った東前頭筆頭・隠岐の海と盤石の相撲で勝った東大関・豪栄道が土つかずでトップ。2横綱4大関は今場所初めてそろって白星となった。

 正面升席で見届けた横審の面々が思わず目尻を下げた。稀勢の里は低く当たってきた相手に左が差せないとみるや、強引におっつけて突き放す。再び間合いを詰め左を差すと右上手を取り寄り切った。初顔の貴ノ岩を寄せ付けない盤石の相撲。支度部屋では「(初顔だが)集中して。まあいいんじゃないですか」。昇進を不安視する面々を安心させる快勝に満足げだった。

 本人以上に喜んでいたのは守屋委員長だった。「あと10番勝てば13勝2敗。そうあってほしい。稀勢の里は頑張ってますね」。こう話したのには理由がある。「12勝3敗の優勝なら即OKということは…。横審の3分の2の賛成をもって決まりとする規約がある。皆さんの意見を聞かないといけなくなる。12勝で足りないという人がいるかもしれない。もう一場所様子を見るかも。そうなったら稀勢の里は心配ですが」

 審判部は優勝すれば昇進としているが、最終的に判断を下す横審の意見は違う。既に平幕に2敗。12勝以下のVでは反対意見が出る可能性がある。都倉俊一委員も「終わりまで全勝でいってくれれば。優勝なら文句ないんじゃないの」と同一の見解を示した。

 一発回答を受けるためには13勝Vが不可欠だ。上位陣が次々と崩れ、優勝ラインが下がることが予想される中、「もう負けないこと。つまり2横綱に勝つということ。13勝2敗なら文句なしに(横綱に)なるでしょうね」と守屋委員長。気象庁の天気予報では、東京地方は22日まで晴れる日はない。綱取り大関はこの日の朝稽古後、「場所中ずっとこんな天気なのかな。すかっとしないね」と憂いた。5日目は横審の心配を自らの相撲で吹き飛ばした。序盤戦を3勝2敗で終え「これからじゃないですか」。千秋楽に晴れやかな表情でいられるかは、残り10日にかかっている。(秦 雄太郎)
(スポーツ報知)

 13勝2敗ならば、優勝なしでも横綱にすべきだろう。

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