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2016年9月17日土曜日

長谷川穂積 3階級制覇 “神の左”を霞ませたどん底からの復活劇

 血まみれで打ち合う両者の姿に手に汗握ったファンも多かったのではないか。

 16日、長谷川穂積(35)が5年半ぶりに世界王者に返り咲いた。WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチに挑み、王者のウーゴ・ルイス(29)に9回終了TKO勝利。05年に奪取したWBC世界バンタム級、10年の同世界フェザー級と合わせ、3階級制覇を達成した。

 試合はプロレスさながらの流血戦。初回、長谷川の頭がルイスの眉間を直撃すると、7回には長谷川が左まぶたをカット。両者の血がマットを染める凄惨な試合となった。長谷川は9回にパンチをもらってロープを背負うも、ここから反撃。ルイスも呼応し、互いにノーガードでひたすらパンチを打ち合った。結局、ダメージの大きいルイスが10回直前に棄権した。

 ボクシング記者が言う。

「やはり、ボクシングは打ち合いになって、倒すか倒されるかの試合が迫力があって一番面白い。軽量級の試合はKOが少なく、どちらかといえば通好み。近年は昔に比べてボクシング人気が落ち込んでいる。それだけにファンでなくとも分かりやすい試合というのが、今後は大事になってくる」

 長谷川は11年にベルトを失って以来、何度も引退の2文字がよぎりながら、現役を続けてきた。リング上で「この5年半があるから、今がある」と話し、13歳になった長男にリング上で抱きかかえられた。どこかのインチキボクサーのような「作られた記録」ではない、本物の3階級制覇。35歳9カ月の世界王座の奪取は国内最年長だ。

 この日、メーンを務めたWBC世界バンタム級王者の山中慎介(33)も挑戦者のモレノとダウンの応酬の末、7回TKO勝利。11度目の防衛に成功した。

「長谷川さんが素晴らしい試合で勝ったから、僕も強い気持ちでリングに上がれました」

 とは勝利後の山中。「神の左」すらかすむ、長谷川の復活劇だった。
(日刊ゲンダイ)

 昔の強さそのもの。スピードがチャンピオンを上回っていた。
 打ち合いで勝てたのが勝因。
 久々の楽しいボクシングでした。

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