<ウクライナの首都キーウ近郊の町では、ロシア軍の徹底に伴い多くの市民の虐殺が明らかになっている。ロシア軍の命令に従わなかった自治体の長とその家族も、殺されていた>
ウクライナのキーフ(キエフ)近郊の都市で、女性市長とその家族が、処刑スタイルでロシア軍に殺害されたことが住民の証言で明らかになった。遺体は穴に投げ込まれたという。 4月3日のAP通信の報道によると、キーフ近郊に位置するモティジン市のオルガ・スチェンコ市長は、ロシア側の要求を拒否したため、夫と息子と共に射殺されたという。この証言をした住民については、安全を確保するために「オレグ」という名の男性とだけ報じられた。 オレグがAP通信に語ったところでは、ロシア軍はモティジン全域の地方公務員を標的にし、協力しない者を殺害した。市長とその家族は射殺された後、ロシア軍が占拠していた3軒の家屋の裏の敷地にある穴に投げ込まれたという。 オレグの証言以前、スチェンコとその家族は3月23日にロシア軍に誘拐されたと報告されていた、とAP通信は指摘した。 ウクライナのイリーナ・ベレシュチュク副首相は、この報道を受けて、市長が殺害されたことを確認し、現在ウクライナ全土で、11人の市長や地域のリーダーがロシアに拘束されていると述べた。 市民の遺体が散乱 今回の市長一家の殺害に限らず、ここ数日、ロシア軍が撤退した後に虐殺されたウクライナ市民の遺体が見つかるなどその戦争犯罪が明らかになっている。AP通信によると、ウクライナ当局は、ロシア軍撤退後のキーフ近郊で民間人少なくとも410人の遺体が散乱していたと発表した。 ウクライナ国防省は、ロシア軍がキーウの北西に位置する町ブチャで市民を虐殺したと非難した。両手を背後で縛られ後ろから撃たれた死体や、庭、車、道路沿いで発見された数十人の死体など、生々しい画像が公開された。 国際的な人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書も、ロシア軍がウクライナ市民をレイプし、拷問し、略奪を行ったと非難している。これに対してロシアは、戦争犯罪の疑いを否定し、死体が転がる恐ろしい映像はウクライナによる「挑発」や「演出」だと主張している。 アメリカをはじめとする西側諸国はロシアの行動を非難し、複数の議員がこうした報道を「野蛮」「ぞっとする」と語り、ロシア政府に対するさらなる制裁を要求している。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日、ロシアの行動は「ジェノサイド(大量虐殺)」に近いと述べ、CBSニュースに対し、ロシアはウクライナ国民を破壊し、絶滅させようとしていると訴えた。
攻撃で都市や村が荒廃
欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は3日、ロシア軍による「残虐行為の恐ろしい映像にショックを受けた」とツイートし、EUのロシアに対するさらなる制裁措置が「進行している」と発表した。
ウクライナ侵攻は6週目に入ろうとしている。これまでのところ、ロシア軍はウクライナ側の激しい抵抗に遭い、主要都市の占領に成功していない。だが、国連によると、この戦争により、ウクライナの市や村々が広範囲にわたって荒廃し、何百万人ものウクライナ人が故郷を追われる事態となっている。
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映像のモザイクが現実で、ロシアの残虐行為を許してはいけない。

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