新型コロナウイルスの感染拡大に向き合い続ける沖縄県内の医療従事者らは、精神的にも追い詰められている。防護服を何重にも着込む過酷な環境の中、欠員を補うため業務の負担が増える一方、診療制限などで給与が規定通り払われるか不安も抱える。会食や旅行など自由も制限され、使命感で治療に当たる医療従事者は「第7波の医療はこれまでにない、多くの負担がのしかかった自己犠牲の上に成り立っている。いつまで我慢すればいいのか、終わりのない不安・不満が爆発寸前になっている」と吐露する。 県内のコロナ治療の一端を担う医療従事者は「N95マスクや手袋、ガウンを2重にした格好で、もはやサウナスーツを着ている気分だが、換気などで室温調整が難しく、熱中症になりそうな環境で仕事をしている」と過酷さを吐露する。 同居家族が陽性や濃厚接触者になれば仕事を休まざるを得ないものの、保育園に通う子どもがいるスタッフはその繰り返しで年休が底を突くと欠勤となり、収入が減る懸念もある。院内に感染を持ち込まないため、院内規定でここ数年、外食や会食は禁止。一方で「世の中はこんなに活発なのにまともに守っているのがばかばかしくなってくる」とも話し、我慢の連続にストレスを抱える。 30代の医療従事者の女性は「使命感だけではもうそろそろ、心も体も持たないよ、という感じだ。自己犠牲の上に成り立つ第7波の医療は、非常にもろくて危うい。できる治療が狭まっており、県医療界全体でみても外来や入院制限などをしている時点で、もう崩壊している」と話す。 医療従事者の精神的な支援に力を入れる病院もある。県内のコロナ治療の中核を担う県立中部病院は病院職員の支援に当たる「メンタルサポートチーム」を2年前に発足。コロナに関わる病棟約200人の看護師全員と個人面談を実施し、ストレスチェックを行った。リーダーの長野宏昭医師(42)は第7波の中で、医療現場に対する社会の理解や応援の機運が薄れていることも、精神的なストレスの高まりにつながると指摘する。「医療に限らず、どの職場でも苦しい人はいると思うが、苦しみを分かってくれる人がいると強くなれる。『大丈夫?』と声を掛け合い、思いやる気持ちが社会に広がってほしい」 現場の臨床も行う長野医師は「重症患者のほとんどはワクチン未接種者だ」と話し、医療の負担を改善し、周囲の人の命を守るためにもワクチン接種を勧める。また、地域の診療所や、かかりつけ医が症状の軽いコロナ患者を診察するなど仕組みの改善が必要だとも指摘した。
(中村万里子)
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個々の感染防止対策では抑えることができず、行動制限が必要なのでしょうか。
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