自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長は16日に会談し、税制改正法案を来年3月末までに成立させることで一致した。予算の歳入面を裏付ける税制改正法案は例年、予算案の衆院通過に併せて、短期間で処理されてきた。しかし、今回の法案には軽減税率の導入が盛り込まれるため、野党の抵抗は必至だ。
政府・与党が防戦を強いられそうなのが財源問題。2017年4月の消費税率10%への引き上げの際、生鮮食品や加工食品の税率を8%に据え置くことで減収となる1兆円規模の穴を埋める財源が、現時点で見当たらないためだ。
今回の大綱決定は、来年夏の参院選で公明党の協力を引き出すことを首相官邸が最優先した「政治決着」だったため、財源まで十分に詰め切れなかった。その影響で与党大綱は、「16年度末までに確実に安定的な恒久財源を確保する」と明記するのが精いっぱい。麻生太郎副総理兼財務相が国会答弁で立ち往生しないようにするための「その場しのぎ」の印象が否めない。
軽減対象外となる酒・外食との線引きも曖昧なままで、消費者や事業者の混乱を招きかねない。導入当初から数年間実施する簡易な経理方式についても、消費税が事業者の手元に残る「益税」の問題が指摘されており、論点は山積している。
もともと消費税増税は民主党政権時代の12年に自公民の3党合意で決まったものだが、民主党は低所得者対策としては、給付付き税額控除の方が望ましいとの立場。合意当事者の民主党とは無関係に、政権内部の力学で軽減税率の制度設計が進んだことへの反発もあり、同党からは3党合意に関し「過去の物になっている」(細野豪志政調会長)との声も漏れる。
枝野幸男幹事長は16日の記者会見で「巨額の財源を全く示さず導入を決めた。来夏の参院選までに示してもらわないと選挙目当てとのそしりを免れない」と与党を批判。民主党は維新の党など他の野党とも歩調を合わせ、予算案の審議と切り離して徹底審議を求めていく考えだ。
(時事通信)
野党は、軽減税率反対では、選挙は厳しいだろう。
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