初優勝を目指すA組の日本は、10―1でオーストラリアに快勝。1次ラウンド開幕3連勝とし、単独首位に立った。先発した今夏の甲子園大会優勝投手、小笠原慎之介投手(3年=東海大相模)は最速145キロの直球を軸に6回を3安打1失点と好投。4者連続を含む9三振を奪った。4番・清宮幸太郎内野手(1年=早実)も9回に10打席ぶりの安打をマーク。投打がかみ合い、1次ラウンド全勝通過へ一直線だ。
これが、甲子園優勝投手の実力だ。仙台育英との決勝戦で161球を投げ抜き、決勝弾を放って全国制覇してから10日。今度は世界一を目指す小笠原がオーストラリア打線をねじ伏せた。
「とにかく粘れたことが良かった。直球とカーブで緩急をつけられたし、楽に放れた」
甲子園の疲労は残っていたが、右打者7人を並べた打線に対し、6回を投げ3安打1失点。「序盤は制球重視で投げた。ストライクゾーンがバラバラだったけど開き直って腕を振った」。国際試合の球審の傾向もつかんだ中盤からは一気にエンジン全開。4回2死からの4者連続を含む、圧巻の9三振を奪った。
進化を見せたのが、5回1死からの見逃し三振。右打者の内角へカーブを決めた。持ち球にはあったが今夏甲子園では封印していた球種。5月に行われた宮崎での招待試合で、県岐阜商・高橋純がクールダウンでカーブばかり投げる姿に衝撃を受けた。代表でチームメートになると、すかさず質問。「本人はただカーブを練習しているだけだったみたい。でも、抜き方を教えてもらった。僕はうまく抜けなかったので。投球の幅が広がった」と自信を深めた。その高橋純は「さすが優勝投手。貫禄があった」と持ち上げ、視察した中日・中田宗男スカウト部長も「1巡目(指名)は揺るがない」と再評価した。
日の丸を背負うのは、中3の11月にU―15日本代表を経験して以来。小笠原は「できればきのうの米国戦に投げたかった」と少し悔しそうにしながら「もう一回対戦があったら僕が投げる」とエースの自覚をにじませた。「日本一を獲っている重圧はあるけど一投手としてやっていきたい。この勢いに乗って世界一を獲りたい」。その鋭い視線は2つ目の「頂点」を見据えていた。 (松井 いつき)
▼日本・西谷浩一監督 力がある米国、オーストラリア戦が大事だと思っていた。リーグ戦ではなく、トーナメントの気持ちで戦っている。(1次ラウンドの)残り2試合も全勝でいきたい。
▼オーストラリア、スティーブ・フィッシュ監督 相手よりもまず自分たちがうまくいかなかった。四球が多すぎた。小笠原選手は噂通りの投手だった。特に追い込まれてからは良い所に投げられた。
(スポニチアネックス)
日本の投手陣がすばらしい。
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