大久保監督は、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が遠のいてきた8月中旬以降、辞意を固めたという。関係者が「チームの低迷を重く受け止めて、自ら責任を取ることにしたようだ」と認めた。近く球団と話し合い、辞任を申し入れる。
2013年の日本一から、わずか1年でリーグ最下位に転落した昨年10月、大久保監督は1年契約で楽天の第5代監督に就任。星野仙一前監督(68)=現シニアアドバイザー=の野球を継承しつつ「常勝軍団をつくる」と、目標を掲げた。紅白戦での8人野球など、アイデアに満ちた練習を導入し、守備と機動力を重視。松井稼の外野コンバート、松井裕のリリーフ転向など、次々と再建策を打ち出した。
しかし、開幕後は銀次(左すね痛)、枡田(右有鉤骨骨折)、嶋(左肋骨骨折)、藤田(右太もも裏肉離れ)、ミコライオ(椎間板ヘルニア)ら、主力に故障者が続出した。新外国人もミコライオが登板ゼロ、打者のサンチェスやウィーラーは、一時打率が2割を切るなど期待を裏切った。
投手陣は新守護神に2年目の松井裕を据え、先発は則本、塩見らを中心に、救援陣も福山、青山、クルーズらが安定。「投手中心の守り勝つ野球」の土台をつくり、交流戦は10勝8敗と勝ち越した。一方でチーム打率・242、67本塁打、364得点はいずれもリーグ最下位。深刻な得点力不足に陥った。
6月下旬から8連敗、7月下旬に6連敗、8月には5連敗と8連敗。大型連敗をくり返した。7月30日には田代富雄打撃コーチ(61)が辞任。三木谷浩史オーナー(50)がオーダー編成などで現場介入したことに対する反発が背景にあったことが判明した。大久保監督も、オーナーの意向と目指す野球との板挟みになり、一丸ムードを作り出せなかった。8月25日にはオリックスに敗れ、最下位に転落した。
大久保監督は混乱したチーム状況を受け止め、辞意を固めたとみられる。就任時に「あきらめない、投げないという姿勢を示したい」と決意表明した通り、残りの30試合は全うする意向だ。この日の西武戦に敗れ、自力でのCS進出の可能性は消えたものの、最後まで指揮を執ることを自分なりのけじめにするという。
日本一の翌年から2年連続での監督交代は異例で、大久保監督の辞任が正式に決まれば、球団は後任の人選を急ぐことになる。酒井勉2軍監督(52)の内部昇格や、地元の仙台市出身で日米通算381セーブを挙げた佐々木主浩氏(47)=現解説者、同じく仙台市出身で今季限りでの現役引退を表明した斎藤隆投手(45)、さらには外国人監督の招へいなど、幅広く可能性を探ることになりそうだ。
(サンケイスポーツ)
オーナー介入が原因だろう。
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