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2015年8月27日木曜日

大谷翔平が今季最速161キロを叩きだしたワケ 西武中村への“特別な思い”


初回にパ・リーグ2冠王の打席で今季161キロを連発、「特別、力を入れて」

 日本ハムの大谷翔平投手が26日の西武戦(札幌ドーム)で先発。今季最速161キロを連発し、13勝目(3敗)を挙げた。

 初回2死三塁。4番・中村剛也を迎えた打席では1ボール2ストライクから、2球連続で今季最速の161キロの直球を連発。ボール、ファウルとされたが、最後はフルカウントから8球目のフォークで空振り三振を奪った。

 昨年10月5日の楽天戦(札幌ドーム)でマークした日本人最速162キロに迫る剛速球。今季最速をマークした背景には、33本塁打、109打点を誇るパ・リーグ打撃2冠王への特別の思いがあった。

 大谷「初回だったので力を入れた。4番打者、クリーンアップは自分の100%に近い投球でないと打ち取れない。初回は流れを左右する。万が一もないように。もちろん1点もやらない気持ちでした。(中村は)意識はします。本塁打に軽打も出来る素晴らしい打者なので。西武打線の中でも特別、力を入れて投げます」

 この試合で中村には3打数1安打。4回無死での左前へのポテンヒット1本に抑え、4番の仕事をさせなかった。

なぜ中村に特別な思いを抱くのか?

 雪辱を期した相手だった。

 7月24日の西武戦(西武プリンスドーム)。中村に満塁弾を含む2被弾で5失点した。中村に食らった2打席連続被弾、満塁弾はともにプロで初めて。打線の強力援護で11勝目は手にしたが、「悔しい思いがある。たまたま負けがついていないだけ」と表情をゆがめていた。

 その次の対戦となった8月11日の西武戦(西武プリンスドーム)では、4回1死では159キロ直球、6回2死は154キロ直球で中村から2打席連続空振り三振を奪った。1点リードの7回、メヒアの逆転2ランで今季3敗目が決まったが、試合後、中村との対戦を、こう振り返っている。

 大谷「試合の内容で(借りを)返せれば良かったけど。おかわりさんには真っすぐを打たれているので、今日は真っすぐで三振を取ろうと思いました。押し切れたのは良かったのかなというのは多少あります」

 今季の対西武・中村はここまで打率2割5分(16打数4安打)、2本塁打、2四球、7奪三振。三振か、本塁打かの真っ向勝負を演じている。

 ここまで「投手5冠」。ハーラー単独トップの13勝(3敗)、防御率1・98、161奪三振、完封勝利3、勝率8割1分3厘と圧倒的な成績を残している。将来的なメジャー挑戦を視野に入れているという大谷だが、一野球選手として、日本球界で本物の力勝負が出来るのは、「おかわり君」だけなのかもしれない。
(フルカウント編集部●文 text by Full-Count)

 大谷は、純粋な野球少年の心で、おかわり君との対戦・リベンジを楽しんでいたのだろう。

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