まさに圧巻の投球だった。
27日、本拠地での西武戦に先発した日本ハムの大谷翔平は、初回から今シーズン最速の161キロをマークするなどエンジン全開。8回を5安打、10奪三振、無失点に抑える快投で、西武先発・菊池雄星との“花巻東対決”に勝利した。
勝ち星は自己最多を更新する13勝。これは両リーグで見てもトップの数である。防御率もリーグ唯一の1点台となる1.98を記録し、勝率.813、161奪三振と投手の主要四部門すべてでトップに立った。
昨年、オリックスの金子千尋が挑んだものの、跳ね返された“投手四冠”の壁。勝利数、勝率、奪三振数、防御率の四部門すべてで頂点を極めた選手というのは、過去に11人存在する。
今年21歳の大谷は、達成すると沢村栄治(巨人/当時20歳)に次ぐ史上2番目の若さでの到達となる。それも野手を平行する“二刀流”を続けながらのこととなれば、球史に残る大偉業だ。
ちなみに、野手と違ってこれといった明確な規定のない“投手○冠”だけに微妙なところはあるが、完封数を含めた“投手五冠”という指標も存在している。
過去にこれを達成したのは7人。大谷は現在のところ完封数も3つでリーグトップなので、史上8人目の“投手五冠”の可能性も残していることになる。
賛否両論ありながらも、前代未聞の“二刀流”を貫きながらこういった偉業に挑めるまでに成長を遂げた怪物・大谷。最終的にその数字をどこまで伸ばし、どれだけのタイトルを手にするのか…。残り1カ月とちょっとの間の大きな楽しみとなりそうだ。
◆ 過去の投手四冠達成者
(☆は投手五冠達成者、年齢は満年齢)
☆1937年-春 沢村栄治(巨人)
防御率0.81 24勝4敗 勝率.857 奪三振196 <20歳>
☆1938年-秋 スタルヒン(巨人)
防御率1.05 19勝2敗 勝率.905 奪三振146 <22歳>
☆1943年 中上(藤本)英雄(巨人)
防御率0.73 34勝11敗 勝率.756 奪三振253 <25歳>
☆1954年 杉下茂(中日)
防御率1.39 32勝12敗 勝率.727 奪三振273 <29歳>
☆1959年 杉浦忠(南海)
防御率1.40 38勝4敗 勝率.905 奪三振336 <25歳>
・1961年 稲尾和久(西鉄)
防御率1.69 42勝14敗 勝率.750 奪三振353 <24歳>
・1980年 木田勇(日本ハム)
防御率2.28 22勝8敗 勝率.733 奪三振225 <26歳>
☆1981年 江川卓(巨人)
防御率2.29 20勝6敗 勝率.769 奪三振221 <26歳>
・1990年 野茂英雄(近鉄)
防御率2.91 18勝8敗 勝率.692 奪三振287 <22歳>
・1999年 上原浩治(巨人)
防御率2.09 20勝4敗 勝率.833 奪三振179 <24歳>
☆2006年 斉藤和巳(ソフトバンク)
防御率1.75 18勝5敗 勝率.783 奪三振205 <29歳>
◆ 大谷翔平(日本ハム)
18試合 完投:4(1位T) 完封:3(1位)
勝利:13(1位) 敗北:4(-位) 勝率.813(1位)
投球回:131回2/3(4位) 被安打:78(25位T) 被本塁打:4(-位)
与四球:37(13位) 与死球:3(27位T) 奪三振:161(1位)
失点:29(-位) 自責点:29(30位T) 防御率1.98(1位)
(BASEBALL KING)
プロ野球史上、最速最強の大谷が、沢村栄治と肩を並べるのは当然だろう。
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