1錠8万171円。C型肝炎の治療効果は高いが、価格も極めて高い新薬の保険適用が決まった。米製薬会社が発売する「ハーボニー」。国の医療保険財政を圧迫しかねないが、肝炎患者が減り医療費の将来支出が抑えられるとの推計もある。
▽計670万円
「(価格の)算定には疑問がある。(決定は)次回にしてはどうか」
26日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)。中医協委員で日本医師会副会長の 中川俊男 (なかがわ・としお) 氏は、保険適用の決定見送りを求めた。今回の価格設定の手法が不透明だと指摘。議論は紛糾した。
別の委員から「待っている患者がいる。きょう決着してほしい」との意見が出たこともあり、やっと了承された。
ハーボニーに掛かる費用は、1日1錠を治療に必要な12週間飲むと計約670万円に上る。薬の価格で比べると、これまで主流だったインターフェロン治療では200万円余り。400万円程度も費用が増える。
だが治療が進めば患者が減って、症状が悪化した場合の医療費は不要になるとも考えられる。厚労省はC型肝炎の重症化予防で医療費約1千億円を節約できると試算。患者の医療費負担を公費で助成しても「メリットはある」(幹部)とみる。
別の幹部は、今後も高額な新薬の登場が続くと予測。「患者の余命や生活の質がどのくらい向上したかを含めた効果を勘案し、その治療に掛かる費用を決める議論も必要だ」と話す。中医協では、薬価に「費用対効果」を反映させる仕組みについて、来年度の試行導入に向けた議論も進む。
▽国内患者カバー
国立感染症研究所によると、C型肝炎ウイルスの感染者は国内に推定約150万人。感染すると肝臓の炎症が起き、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進むことがある。
日本の肝炎患者のうち7~8割を占めるウイルスの遺伝子型を対象に治療できるのがハーボニーだ。同じ会社が開発し、5月に先行して保険適用された「ソバルディ」は残り2~3割の遺伝子型を対象に治療できるため、ほぼ全体の患者をカバーすることになる。
ハーボニーの臨床試験(治験)では咽頭炎や頭痛、 倦怠 (けんたい) 感の副作用がみられたが、約150人の患者全てが約3カ月の治療後にウイルスを体から排除できた。ただ国立国際医療研究センターの 溝上雅史 (みぞかみ・まさし) 医師は「ウイルスがなくなっても、がんになる可能性は低いながらある。特に高齢者は治療後も見守る必要がある」と注意を促す。
(共同通信)
ぼったくりみたいな薬だが、効果があるならば、保険適用は当然だろう。
金持ちだけが助かる世の中ではダメだろう。
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