【ワシントン=青木伸行、加納宏幸】アーネスト米大統領報道官は28日、9月に訪米する中国の習近平国家主席との会談で、オバマ大統領が東・南シナ海における中国の海洋覇権拡大に対する懸念を伝え、日本や東南アジア諸国との争いを平和的に解決するよう要請するとの見通しを示した。対中戦略は2016年米大統領選挙の争点の一つとなっており、共和党有力候補は、中国の暴挙を止められない「融和策」だと政権批判を強めている。
アーネスト報道官はこの日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「日本との同盟に対する政権の関与は明確だ」と語った。尖閣諸島は日本の施政下にあり、日本の防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用対象だとの従来の認識を、重ねて表明したものだ。ただ、政権は主権に関しては「特定の立場を取らない」と、あいまいにしている。
政権は中国が尖閣諸島周辺で頻繁に日本の領海を侵犯し、東シナ海でガス田開発の動きを強めていることなどを警戒。南シナ海では人工島造成に加え、東シナ海に続く「防空識別圏の設定を危惧している」(シアー国防次官補)。
これに加え中国人権派弁護士らの弾圧、サイバー攻撃、人民元問題などの摩擦を抱えており、ライス大統領補佐官は米中首脳会談の地ならしのため28日に北京入りし、習主席らと会談し中国側の感触を探った。
しかし、習主席は「互いの核心的利益を尊重する」必要性を強調し、中国の主権、領土問題への米国の介入を改めて牽制(けんせい)した。首脳会談での進展は望めない見通しとなっている。
さらに「中国との対話を増やせば米中の隔たりを狭められるという幻想に、もはや屈することはできない」と批判。「赤いカーペットの上を歩く資格があるのは、民主的な中国の指導者だ」と、習主席の訪米中止をオバマ政権に求めた。
(産経新聞)
オバマの言うだけ外交よりも、共和党の考えはわかりやすい。
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