日本最大の指定暴力団山口組(神戸市)が分裂する可能性が高いことが27日、捜査関係者への取材で分かった。複数の有力直系(2次)団体が山口組から脱退し、新たな組織を立ち上げる模様だ。兵庫県警や大阪府警など警察当局は情報収集を進めるとともに、分裂に伴って抗争に発展する恐れもあるとみて、警戒を強めている。
山口組は今年結成から100年となるが、節目に組織内の対立が表面化した格好。現在の篠田建市(通称・司忍)6代目組長に反発するグループが山口組を離脱するとみられ、捜査関係者によると、十数団体が離脱する方向という。
27日午前には、神戸市灘区の山口組総本部で緊急の執行部会が招集されたが、捜査関係者によると、山口組内の最大派閥である山健組(同市)などの複数の団体が欠席した。
捜査関係者によると、6代目就任以降、篠田組長の出身母体である弘道会(名古屋市)を中心とした執行部体制が築かれ、神戸や大阪など関西の直系組長らの間では不満がくすぶっていたという。
山口組をめぐっては、昭和59(1984)年から平成元(1989)年にかけて、「山一抗争」と呼ばれる分裂抗争が起きた。警察当局は、今回分裂すれば、再び抗争が起きる可能性もあり、動向を注視している。
山口組は全国最大組織の指定暴力団で、勢力は44都道府県に及び、組員は1万人以上。全国の暴力団の43・7%を占める。
(産経新聞)
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