北朝鮮が地球観測衛星を打ち上げると国際機関に通告した。長距離弾道ミサイルの発射を予告したといえ、発射の禁止を求めた国連安全保障理事会決議に明白に違反する。由々しき事態である。
通告によれば、打ち上げは8~25日の間とし、南方に発射するという。期間中の16日は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の父親である故金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日にあたる。
北朝鮮は先月6日、4回目の核実験を強行したばかりだ。続けてミサイル発射に踏み切ることで、国際社会を挑発するとともに、国威発揚を図る思惑なのだろう。
5月には36年ぶりの朝鮮労働党大会も予定されている。国際的な孤立で経済が困窮するなか、正恩体制の数少ない「成果」として誇示する狙いも垣間見える。
国際社会は北朝鮮に強い圧力をかけ、発射を自制させる努力を惜しんではならない。日本は同時に米国や韓国など関係国との情報共有を密にし、発射に備えた警戒を強めていく必要がある。
日本政府は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を周辺海域に展開するとともに、地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備を進めている。今回は沖縄上空を通過する可能性もあり、不測の事態に備えた十分な警戒が怠れない。国民への迅速な情報提供を含め、万全の態勢を敷いてほしい。
国連安保理は、北朝鮮による先の核実験に対する制裁決議をいまだ採択していない。米国は石油禁輸を含む強力な追加経済制裁を求めているが、中国が難色を示しているという。国際社会の足並みの乱れが、北朝鮮の暴走を助長している面は否定できない。
北朝鮮は中国の高官が核協議のために訪朝しているさなかに発射通告を行った。中国はこうした現実を直視し、厳しい安保理決議に同調すべきだ。さらに国際社会と連携して正恩体制に打撃を与える経済制裁を着実に実施し、強い圧力をかけることが肝要だ。
(日本経済新聞)
日本がミサイルを打ち落とすしかないだろう。
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