戸倉容疑者は「被害者については全く知りません。被害者の所に行った記憶はありませんし、殺していません」と容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、昨年8月26日夜に、加賀谷さんは玄関先で衣服を身につけていない状態で死亡しているのが見つかった。手の爪の間には、抵抗時に付着したとみられる皮膚片が残っていた。そこから検出されたDNA型は、加賀谷さんと接点があった交友関係者のものとは一致しなかったという。
中野署捜査本部は新たな手がかりを探すため、事件後に現場周辺から転居した人物まで捜査対象を拡大。約400メートル離れたマンションから、事件直後の8月下旬に福島県の実家に住民票を移していた戸倉容疑者も対象になった。
捜査本部によると、戸倉容疑者は今年2月中旬、転居先の福島県矢吹町の実家を訪ねた捜査員に「昨年6月に仕事を辞めた。その後、福島に戻ってきた」と話したという。その際に任意で採取したDNA型が、今月に入って、現場のものと一致したことがわかった。捜査本部が鑑定したDNA型は、約1千人分に上ったという。
戸倉容疑者の逮捕容疑は、昨年8月25日午前0時半ごろ~翌26日午後10時ごろに、加賀谷さんの自宅で首を圧迫して窒息死させたというもの。加賀谷さんの部屋からは衣類やバッグ、財布、部屋の鍵など十数点がなくなっており、警視庁は戸倉容疑者が持ち去った疑いがあるとみて調べる。
仙台市出身の加賀谷さんは、宮城大学を卒業後、上京して複数のアルバイトをしながら俳優を目指していた。所属劇団によると、事件翌月の9月10日からの舞台に出演予定だった。同じ劇団員で、当時の交際相手の男性(32)は12日、宮城県内の加賀谷さんの墓参りをした。「やっと捕まったよ、頑張ったな、と声をかけた。事件が長引いて風化していくのが怖かったが、まだ終わったわけじゃないので警察の捜査に期待したい」と話した。
■福島の実家に戻る
中野署捜査本部によると、福島県矢吹町の実家に戻った戸倉容疑者は、両親と暮らしていた。
家族と付き合いのある女性(59)は「物静かで優しい子だった」と話す。小学校時代から剣道に打ち込み、年下の子たちの面倒をよく見ていたという。
実家近くに住む男性(57)によると、戸倉容疑者は県立高校卒業後に上京。昨夏ごろ、実家の庭先であいさつを交わした際に「帰って来た。職を探している」と聞いたという。
中学時代の同級生の男性(37)は「男友達5、6人のグループの中で、いつも明るくわいわいとしていた印象だった」。3年前に矢吹町内の居酒屋に同級生が集まった際には東京から参加していた。「今も東京にいると思っていた。(逮捕され)同級生としてショック」と話した。
(朝日新聞デジタル)
被害者の手の爪に残された皮膚片のDNA型と一致では、確定だろう。
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