東京都中野区の自宅マンションで劇団員、加賀谷理沙さん(当時25歳)が殺害された事件は、発生から半年以上が過ぎ、急展開した。警視庁中野署捜査本部は、事件当時近所に住んでいた戸倉高広容疑者(37)を殺人容疑で逮捕した。加賀谷さんの遺体からは男性のDNA型が検出されており、捜査本部は、加賀谷さんの近所にいた住民や知人らのDNA型の任意提出を受けて照合したところ、戸倉容疑者のものが一致した。これまでに任意提出を受けたのは約1000人に上るという。
事件は昨年8月26日夜に発覚した。自宅玄関付近で見つかった加賀谷さんの顔にはタオルケットがかけられ、衣服を身に着けていなかった。また、加賀谷さんが直前まで着ていたワンピースや布団カバーなど十数点がなくなっていた一方、携帯電話はそのまま残されていた。
現場付近は防犯カメラが少なく、目撃情報も乏しかった。捜査関係者によると、事件直後に現場付近から行方が分からなくなった人物などが捜査線上に浮上したが、いずれも容疑者ではなかった。「犯人の動機が分からないことがこの事件の難しさ」。そうつぶやく捜査幹部もいた。
最大の手がかりは、加賀谷さんの遺体に残されていたDNA型だった。捜査本部は知人らからDNA型の任意提出を受けるなど「つぶしの捜査」を地道に進めた。捜査の過程で、戸倉容疑者が事件後に転居していたことをつかみ、任意提出を求めたのが2月中旬。DNA型が一致することが判明したのは、逮捕の数日前だったという。
殺害された加賀谷さんは宮城県内の大学を卒業した後に上京。居酒屋でアルバイトをして生活費を得ながら、劇団員としても活動していた。宮城県内で過ごした高校時代、文芸部に所属し、俳句や短歌のコンクールで受賞を重ねた。
すずむしや 電話の愛を 聞き返し
鈴虫の鳴き声は周波数が高く電話では聞こえないことを知り、高校時代に作った句の一つだ。加賀谷さんは「(鈴虫のように)君の声がきれい過ぎるからといって愛の言葉を2度聞くための粋な作戦」と作品の意図を説明したという。【山崎征克、神保圭作、深津誠】
(毎日新聞)
いずれ全国民のDNA型を強制的に集める日が来るのだろうか。
マイナンバーとセットにすべきだろう。
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