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2016年10月19日水曜日

早実・清宮に仰天“二刀流”プラン浮上 球界の至宝をプロと大学が奪い合い

 空前の豊作といわれる20日のドラフト会議まで、あと1日。投手に好素材がそろう一方、野手には1位指名で競合するような逸材が不在だ。未来の大砲を欲する球団の視線は、すでに来年へ向けられている。その2017年のドラフトで間違いなく目玉中の目玉となるのが、早実・清宮幸太郎内野手(2年)。既に高校通算74本塁打を量産している豪打の17歳をめぐって、思惑が複雑に絡み合う中、学校関係者の間からスラッガーの将来を左右する仰天“二刀流”プランが浮上した。 (片岡将)

 新チームの主将として来春のセンバツ出場を目指す清宮は、15日の秋季東京都大会2回戦の日大一高戦(市営立川)で中堅バックスクリーンへの通算73号と、右翼場外への74号を連発。秋の公式戦では1次予選から3試合連発中だ。

 ドラフトの対象になるのは1年後だが、類いまれな長打力を誇る若きスラッガーに、各球団は早くも担当スカウトを置き徹底マークしている。

 あるセ・リーグ球団幹部は「彼がもし今年のドラフトに掛かったとしても1位。それくらい飛び抜けた力がある」と断言。某他球団のスカウトも「現時点でも大学、社会人を含めたアマチュア全体でトップクラス」とやはり最上位の評価だ。

 プロ野球の世界では「力がある選手は高校から直接プロ入り」が定説。過去には早実からも、王貞治氏や榎本喜八氏らが大学などを経ずにプロ入りし名選手になっている。しかし近年の早実は日本ハム・斎藤佑、巨人・重信のように大学を経由しプロ入りするのが定番で、直接のプロ入りは1984年の板倉賢司氏(元大洋)と上福元勤氏(元巨人、故人)の2人が最後で30年以上も途絶えている。

 歴史に「たら、れば」は禁物だが、「もし斎藤佑が早大を経ずに直接プロ入りしていれば、これほど田中(ヤンキース)に差をつけられることはなかった」とみる向きが球界には多い。

 それだけにプロ側は清宮にも、高卒から直接入団し早くから高いレベルで力を磨くことを勧めるが、周囲は否定的だ。

 というのも父、克幸氏(49)=ラグビートップリーグ、ヤマハ監督=の存在がある。早大ラグビー部で現役時代からスター選手。引退後も監督として3度の全国大学選手権優勝に導くなど、早大の“レジェンド”。長男の公式戦を欠かさず観戦し、練習試合にも足を運ぶほど熱心に応援している。

 ある野球部関係者は「清宮のように早実の初等部から通い続けていて、早大に進まないというのは最近ではまずありえない。家族も進学を望んでいるのではないか」とみる。

 プロと早大が清宮の両腕を引っ張り合う格好だが、実は早大関係者の間では、両方を立てる“ウルトラC”プランが浮上している。

 「ドラフトで指名されプロ入りした上で、早大の通信課程を受講するのです。これならプロにいながらでも学歴を手に入れられる」

 早大は2003年からほとんどの講義やレポートの提出などをインターネットを通じて行う『eスクール』を開講。卒業すれば4年制大学と同じく学位が得られる。卒業生にはアイドルグループ『KAT-TUN』の中丸雄一やJリーガーなど他のスポーツ選手も多く、プロ野球界では田辺前西武監督が卒業。広島の東出打撃コーチも在籍していたことがある。

 NPB関係者は「当然、野球部には所属できないが、大学在学が野球協約に引っかかることはない。過去にはオフシーズンに聴講生として大学の講義を受けていた選手もいたはずです」と強調。“プロと大学生の二刀流”はルール上も問題はなさそうだ。

 大学側も、清宮の顔と名前を在学生、卒業生として、受験者募集のパンフレットなど宣伝に使えるメリットがある。プロと学生のいいとこ取りの仰天プランといえる。

 勝てば8強進出となる早実の次戦は23日の片倉高戦(八王子)。いずれにせよ来年の今ごろは、今年のドラフトどころではないフィーバーが巻き起こることになる。
(夕刊フジ)

 来年のドラフトの目玉だろうけど、大成できるだろうか。

 

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