固い決意を感じた。CS突破を決めた直後、栗山監督は報道陣の前でこう断言した。
「2度とこれは起こらない。日本シリーズで無理をさせることはしない」
大谷はCS最終S第5戦に「3番・DH」でスタメン出場し、3点リードの9回からは抑えとして登板。自身の持つプロ野球最速を更新する165キロを3度出すなど圧巻の投球で、歴史を作った。指揮官の言葉を額面通りに受け取れば、球界の至宝が成し遂げた偉業は、日本シリーズで再現されることはない。
ただ、昨季までは登板前日と翌日には必ず休養日を与えていたが、二刀流4年目の今季は違った。最終Sでは初戦にDHを解除して「8番・投手」のリアル二刀流で起用後、中0日で2戦目以降は打者でスタメン出場。そして最後は中3日でのクローザー起用…。頂上決戦でも「もしかして」を期待したくなるが、シーズン中に痛めた左足首に違和感があり、第5戦にベンチ入りしなかった今季21セーブの守護神・マーティンは、シリーズには状態が戻るはず。大谷の体への負担も計り知れないため、冒頭のコメントにつながっている。
あの時も、決意は固かった。14年ソフトバンクとのCS最終S。2勝3敗で迎えた5戦目に大谷は先発した。7回4失点12Kの力投がチームの勝利につながり、日本シリーズへ逆王手をかけた。試合後、指揮官は一部のコーチから「中0日で打者で起用するべき」と進言されたという。
だが、首を縦に振ることはなかった。その時も報道陣に「(起用は)ありません。あいつに無理をさせた申し訳なさがある」と断言していた。チームは結果的に6戦目で敗れたが、「一番使いたいのは俺だけど、あいつを守らないといけない」と振り返っていた。
日本シリーズで大谷は初戦に先発、2戦目は休養、3~5戦目は野手で起用し、中6日で6戦目に先発と、通常のルーチンで起用される見込みだ。仮に3勝3敗で7戦目を迎えた場合は、中0日での打者起用はあるだろう。個人的には9回のマウンドに再び上がり、リーグ優勝、CS突破に続き、「守護神・大谷」として3度目の胴上げ投手になる瞬間を見てみたい。1点リードならなおさらだが、指揮官は「親心」を貫くはずだ。(日本ハム担当・後藤 亮太)
(スポーツ報知)
大谷で、2勝できれば、楽勝だろう。
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