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2016年10月29日土曜日

大谷翔平 第6戦は守護神待機 吉井コーチ「投げるとすれば最後の9回」

◇SMBC日本シリーズ第6戦 日本ハム―広島(2016年10月29日 マツダ)

 日本シリーズは29日、マツダスタジアムに舞台を移して第6戦が行われる。3勝2敗で日本一に王手をかけている日本ハムの予告先発は大谷翔平投手(22)ではなく、増井浩俊投手(32)と発表された。大谷はもつれた場合、第7戦に先発することになったが、第6戦で救援登板する可能性もある。プロ野球新記録の165キロを連発したクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに続く「ストッパー大谷」で、10年ぶり3度目の日本一を勝ち取る。

 最終決戦の地、広島に降り立った大谷に、空港に居合わせたファンが一斉にスマートフォンを向けた。周囲の喧騒(けんそう)をよそに、22歳は表情を引き締めたまま、歩を進めた。

 「気合は入ると思う。意気に感じていける部分はある」

 日本一まであと1勝となり、首脳陣は第6戦に増井、第7戦に大谷を先発起用すると決めた。1、2戦と2人の順番を入れ替えた理由について、栗山監督は「いろんな使い方を含め、一番幅があるのはこれだなと思った」と説明した。DH制がない敵地。仮に順番通り第6戦に先発した場合、第7戦は代打待機に限定される。第7戦に大谷を回すことで、ベンチ待機となる第6戦は、勝っている展開なら救援登板、負けていれば代打と、起用法に「幅」が生まれる。吉井投手コーチも「投げるとすれば、最後の9回。準備がしやすい」と守護神起用の可能性を示した。

 2勝2敗で迎えた前日の試合前の練習後に、大谷と増井はそろってブルペン入り。首脳陣から「この試合の勝敗によって第6戦の先発が決まる」と通達された。第5戦で王手をかけたことで、あと1勝すればいい状況が生まれた。DHで3試合フル出場した疲労も考慮され、日本一になるための最善策として、大谷の第7戦起用が固まった。

 予行も済ませている。リーグ優勝した9月28日の西武戦(西武プリンス)では1安打完封で胴上げ投手となったが、実はその前日にベンチ入り。勝っている展開なら最後の回を締めくくる予定だった。劣勢で代打出場に終わったが、CSファイナルS第5戦ではDHから9回に救援。プロ野球最速を更新する165キロを連発する完全投球で締め日本シリーズ進出に導いた。劣勢で迎えた終盤に代打で逆転打を放ち、9回のマウンドに上がり、日本一をつかむ。今までにない「二刀流」も実現するかもしれない。

 本拠地で3連勝したが第2戦までの敵地では連敗を喫した。「ビジターでもしっかり勝って優勝するのがベスト。それは完全に勝つ(日本一になる)ために必要なこと」。強烈なファイティングスピリット。第6戦に敗れ第7戦にもつれれば、憧れの黒田と初めて投げ合うことになるが、今は第6戦に勝つことが全てだ。救援で締め、リーグ優勝、CSファイナルSに続き、3度目の胴上げ投手になる。 (柳原 直之)

 ≪先発含めれば初≫同一シーズンの公式戦、CS、日本シリーズの全てで胴上げ投手(V決定の瞬間に登板)となったのは、09年クルーン(巨)、13年田中将大(楽)、14、15年サファテ(ソ)だけ。今季日本ハムの胴上げ投手は公式戦(9月28日西武戦)が完封の大谷、CS(10月16日ソフトバンク戦)もセーブの大谷となっており、前記3人に次ぐ記録がかかる。なお、過去3人は3戦とも救援で達成したもので、先発完投を含む3連続胴上げなら史上初となるが、大谷が大役を果たすか。

 ▼1安打完封でリーグV 優勝マジック1で迎えた試合で5回1死まで完全投球。自身初の1安打完封&今季最多15奪三振でチームを4年ぶりのリーグ優勝に導いた。160キロ超は一球もなかったが、スライダー主体で125球。優勝決定試合では史上初の1―0完封勝利に「冷静だった。淡々と、いいあんばいに自分を制御しながら投げられた」。

 ▼リリーフ登板で史上最速165キロ 勝てば日本シリーズ出場となる試合に「3番・DH」で出場し、3点リードの9回にDHを解除して救援登板。自身が持つプロ野球最速を更新する165キロを計3球もマークした。「いい雰囲気でマウンドに上がれて、いいパフォーマンスを出せた」。フォークも驚きの151キロで3者凡退。史上初めて先発野手がセーブをマークした。
(スポニチアネックス)

 打者・大谷の不在がどう影響するだろうか。

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