岸田政権が経済対策に盛り込んだ「18歳以下への10万円給付」策が大揺れだ。10万円のうち5万円をクーポンとして配布する案に、自治体から「NO」を突き付けられ、事実上“白紙撤回”に追い込まれた。8日から10万円給付の裏付けとなる補正予算案を巡る国会審議が始まったが、岸田首相は出だしから大失態を演じた格好だ。 ◇ ◇ ◇ 松野官房長官は7日の会見で「クーポン給付を基本に検討いただきたいが、地方自治体の実情に応じて現金給付も可能とする」と発言。これまで岸田政権は、10万円のうち5万円を現金給付し、残る5万円分を子育て・教育関連に使えるクーポンとして配布する案を掲げていたが、「クーポン配布がイヤなら全額現金でもOK」と方針転換した格好だ。突然の方針転換は、地方から次々と批判の声が上がり始めたのが理由だ。 群馬県太田市の清水聖義市長は6日、市民から「クーポンでは使いづらい」といった声が届いたことを受け、“全額現金給付”にする方針を決定。「クーポンで使い方を限定するのは国民を信じていないことになる」とまで指摘した。 清水市長の発言を受け、ツイッターでは〈全額現金〉がトレンド入り。〈市長さん素晴らしい〉〈これが本来の政治家の姿だと思う〉と拍手喝采。〈他の自治体も続け!〉といった投稿まで出ている。 先月末には、静岡県島田市の染谷絹代市長も“全額現金”で給付する方針を示していた。大阪市の松井一郎市長も7日、松野官房長官の発言を受け「(全額)現金でやる」と表明。この調子では、今後「全額現金」を打ち出す自治体が続出するのは目に見えている。 「もし、自治体がクーポン給付を選んだら、住民から『なぜうちの地元は現金じゃないんだ』と不満が出るのは間違いないでしょう。そうした批判を恐れ、相当数の自治体が“全額現金給付”を選ぶことになるはずです」(永田町関係者)
クーポン配布の意義はすっかり消えた
官邸周辺は、この問題で岸田首相が国会審議で追及されることを懸念しているという。 「クーポン配布は、現金給付に比べ900億円超の事務費がかかることが分かり、『無駄だ』と批判を招いています。また、クーポンの使途について『子育て関連』と限定しているが、実際、何に使えるかの線引きは自治体に丸投げ。自治体によって何に使えるのか差が生じる恐れもある。野党は13日から始まる予算委員会で徹底追及する構えを見せています。早々にクーポン配布案を事実上“白紙”にしたのは、追及をかわす意図があったのでしょう」(官邸事情通) しかし、そもそもクーポン配布には、給付金が貯蓄に回らないように、子育て関連のサービスや用品に確実に使ってもらう、という理由があったはずだ。自公の幹事長間で協議を重ねクーポン配布を決めたのに「やっぱり全額現金でいい」とはどういうことなのか。クーポン配布の意義はすっかり消えている。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。 「あれだけクーポン配布にこだわっていたのに“撤回”したのは、来夏の参院選を見据えたからでしょう。国民から『使い勝手が悪い』と批判されては『票につながらない』というわけです。ある意味、純粋な“バラマキ”になってしまいました。本来なら、多少時間をかけてでも本当に困窮している世帯を特定し、対象を絞るべきでした。岸田首相は国民が何を求めているのか、よく分かっていないのでしょう」
岸田首相はご自慢の「聞く力」をいつになったら発揮するのか。
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聞く力ゆえの白紙撤回でしょう。クーポンをもらった人も使い勝手が悪い、市町村も暇ではない、世論の反映でしょう。
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