平均球速152.7キロはセ・リーグでは日本人最速になる
ソフトバンクの岩嵜翔投手が中日に移籍することが27日、決まった。国内FA権を行使してソフトバンク加入が決まった又吉克樹投手の人的補償選手として両球団から発表された。 2007年の高校生ドラフト1巡目でソフトバンクに加入した岩嵜は2017年に、サファテ、森唯斗と鉄壁の「勝利の方程式」を構築。72試合に登板して、6勝3敗2セーブ40ホールドをマークして最優秀中継ぎ投手に輝いた。2018年からは右肘の故障に苦しんだが、今季は48試合に登板。2勝5敗6セーブ14ホールド、防御率4.17という成績だった。 では、岩嵜とはどんな投手なのか。その特徴を、セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータを用いて紹介してみよう。 岩嵜の武器といえば、160キロに迫るストレートと斬れ味鋭いフォーク。ストレートの平均球速は152.7キロに上り、これは今季両リーグで30イニング以上に投げた投手の中で9位に位置する。セ・リーグの日本人投手では阪神の藤浪晋太郎投手を上回って最速となる。外国人を含めても巨人ビエイラ、阪神スアレス、広島コルニエル、中日R・マルティネス、DeNAエスコバーに続く。
空振り奪取能力はセ・パ両リーグ通じても屈指の数値を誇る
また、空振り奪取能力も非常に高く、全投球に占める空振りストライクの割合は17.0%。これは30イニング以上投げた投手の中では5位。また、打者がスイングしバットにコンタクトされた割合を示す「Contact%」も68.2%でセ・パ両リーグで6番目に低い数字になる。ボール球を打者にスイングさせる「O-Swing%」は12球団でトップの40.7%と、投手としての特徴を表すものになっている。 対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」も両リーグで6位となる31.3%と高い。四死球割合との差を表す「K-BB%」も5位と、投手としての能力は非常に高いものがあることが分かる。 その一方で、今季は安定感に欠けたのも事実だ。手のつけられないような完璧なリリーフを見せるときもあれば、突如として大崩れすることも。8月には2試合連続で炎上して救援に失敗するなど調子を落とし、再昇格後も本来の姿を取り戻せないまま、10月に再びファームに降格となっていた。 備えている能力はソフトバンクでも屈指のものがありながらも、今季はその力を安定して発揮できなかった。32歳という年齢、又吉というセットアッパー候補の加入、若いリリーフ投手の台頭など、様々な要素が絡んでのプロテクト漏れだったろう。能力をフルに発揮できれば、中日にとっては、又吉以上の戦力になる可能性も秘めている投手だろう。 データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。
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よかった時のイメージしかない。復調して活躍してもらいたい。
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