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日本大学は10日、所得税法違反(過少申告)容疑で東京地検特捜部に逮捕された前理事長の田中英寿容疑者(75)らの事件を受け、記者会見を開いた。理事長を兼務する加藤直人学長は、田中前理事長らによる専横な支配体制があったことなどを謝罪し、「田中前理事長と永久に決別し、影響力を排除する」と宣言した。田中前理事長には役員報酬や退職慰労金などを支払わないことも明らかにした。 背任事件の関係先として9月に最初の家宅捜索を受けて以降、日大が公の場で説明するのは初めて。加藤学長は「家宅捜索、逮捕、起訴と立て続けに起こり、綿密な調査が必要だった。会見が遅くなったことを心よりおわびする」と述べた。田中前理事長の逮捕は「前代未聞の出来事」とし、「今後一切、大学の業務に携わることを許さない」と述べた。 弁護士らによる内部調査の内容も中間報告として公表された。日大付属板橋病院の建て替え計画や医療機器納入を巡る背任事件では、起訴された元理事の井ノ口忠男被告(64)が取締役を務めた関連会社「日本大学事業部」が業者と取引する中で資金が流出したと認定。加藤学長は「井ノ口元理事が絶大な権限を持ち、理事会も十分に管理、監督ができていなかった」とし、事業部の清算を視野に手続きを進めるとした。 井ノ口元理事は、ともに起訴された大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳被告(61)側に資金を流出させるなどして、日大に計約4億2000万円の損害を与えたとされる。加藤学長は、井ノ口元理事に忠実義務違反があったとし、損害賠償請求を視野に対応を検討するとした。一方、脱税容疑で逮捕された田中前理事長については、「捜査中で関係者の話に食い違いがある」として、調査結果の最終報告で対応を明らかにするとした。 外部有識者を中心にした「再生会議」を来年1月に設置し、3月までに組織再生に向けた結論を得ることを目指すとした。加藤学長は「専横な支配を許さない体制を構築していく」と述べた。【志村一也、国本愛、松尾知典】
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特定の者に権力が集中して、よもや悪事を働くことは想定外も、きちんとチェックできる体制が必要でしょう。
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