屈辱を味わった「打者・大谷」が、自らに高いハードルを設定した。今季投手では15勝を挙げるなどチームのエースに成長したが、打者では本塁打数以外は過去最悪の数字が並んだ。シーズン途中からは打撃不振のため、指名打者の定位置を4年目の近藤に譲った。代打起用が中心だった3年目について「打てないから出られなかったということ」と冷静に振り返った。
今年は登板中に右ふくらはぎをつるアクシデントもあり、野手出場を見送られた試合もあった。実戦感覚の不足が打撃不振を招いた一因でもあるだけに、出場試合数が増えることは好影響になる。そこで、打撃成績向上のため、禁断の策を解禁する。
入団してから登板後1日と登板前2日間は体の状態を優先するため、打者での出場はなかった。ただ今季は今後を見据え、栗山監督から登板翌日に野手出場は可能かどうかの面談を受けていた。「僕の中では出られますという話はしていた」と、登板から「中0日」での野手出場は問題ないことを強調した。
このプランが実現すれば火曜に先発した場合、水曜から土曜まで4試合に野手出場が可能。今季は単純計算で週3試合の出場だったため、週1試合、「野手・大谷」の出場が増えることになる。ともに自己最高だった2年目の、打率2割7分4厘、10本塁打を超えることも可能だ。
そのためにもまずはチーム内競争に打ち勝つ。今季、主に指名打者で起用された近藤は、トリプルスリーのソフトバンク・柳田、216安打のシーズン日本新記録を達成した西武・秋山に次いでリーグ3位の打率3割2分6厘をマークした。壁は高いが、「そこを超えれば出られる基準みたいなものは見える。単純に近藤さんを超えたら出られるということかなと思う」と闘志を燃やした。
もちろん投手としてもさらなる高みを目指す。今季は登板数が160回2/3だったが、来季は200イニングを目標に掲げている。投打ともに圧倒的な数字を残すことで、チームの4年ぶりのリーグ優勝は近づくはずだ。
この日は2軍施設の千葉・鎌ケ谷で静養に努め、1日から本格的に練習を再開する予定。「打撃も投球もこのまま現状維持でいいとは思っていない。いろいろと試したい」。二刀流の完成形を4年目シーズンに示す。(後藤 亮太)
◆大谷が1週間に4試合出場した場合の打席数 シーズン143試合中、2/3の95試合に出場可能となり、規定打席の443打席には届かないが、380打席以上の数字を残すことができる。自己最多打席は1918年のベーブ・ルース以来の「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」をマークした2年目の234打席だが、それも大幅に更新し、今季の119打席からは3倍近い打席数となる。
(スポーツ報知)
打者でも非凡な才能の大谷の活躍が楽しみ。
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