◆和食売り込み
「無形文化遺産に登録された和食に欠かせない、お出汁(だし)をつくることができる昆布を、豊富に取りそろえています」
ミナミの中でも最もにぎわう商店街の一つ、戎橋筋商店街(大阪市中央区)にある創業約170年の昆布店「をぐら屋大阪戎橋筋」は4日、春節に備えるため中国語と英語を併記したボードを店頭に設置した。また、爆買い客の取り込みに向け、中国語が話せる店員を置くなど工夫して売り上げを伸ばしているという。
爆買い客をいかに取り込むか。各店舗ではそのことへの“必死さ”が年々高まっている。
同商店街振興組合(約100店)は今年初めて、各店舗のお薦め商品を「ジャパンブランド」と命名し、加盟店が商品説明を中国語でする際の支援を始めた。中国語と韓国語で特典が受けられる店舗を示した商店街マップも作製し、近隣のホテル10軒に配った。外国人観光客のみを対象とした割引や粗品の進呈といった特典を実施する店舗も少なくない。
百貨店も躍起だ。高島屋大阪店は昨秋に免税カウンターの面積を従来の1・4倍に拡大。大丸心斎橋店の南館では今月1日、爆買いの火付け役とされる電化製品などの総合免税店「ラオックス」の大型店舗がオープンした。
◆クレーム続出
ただ、爆買いの外国人客をターゲットにした姿勢については、外国人客優遇だとして不快感を示す日本人客が増えているという。
ある百貨店関係者は「実は、お客さんから、中国人向けの百貨店になったらいかがですか、といったクレームが後を絶たない」と指摘。「誤解を招きたくないので、インバウンド(訪日客)関係の情報は国内向けメディアには出さないようにしている」と続けた。
また、難波センター街商店街(大阪市中央区)では、これまで行ってきた中国人客を歓迎する垂れ幕の掲示を今年は行わないという。同商店街振興組合の関係者は「爆買いはもはや日常。中国人客は黙っていても来るので特別なアピールは必要ない。むしろ、中国人客が増えた分、日本人客が押し出されたような形になっており、それを取り戻すことが課題だ」と指摘する。
大阪観光局によると、昨年、大阪を訪れた中国人客は約272万人(速報値)で過去最多を記録。同年に実施した別の調査では約69%がミナミの道頓堀を訪れていた。
戎橋筋商店街振興組合の関係者は「外国人客が増えたといっても、商店街を訪れる客の7割は日本人。逃すと大変なことになる」と危機感を示した上で、「あからさまに外国人向けの店もあるが、いろいろな商いが出てくるのが商店街。日本人客を基本として、その次に外国人客に楽しんでもらうスタンスでやっていきたい」と話している。
(産経新聞)
USJ人気で、中国人・韓国人観光客が多い大阪に魅力を感じない。
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