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北京冬季オリンピックで15日にあったフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)に、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ選手(15)がドーピング検査で陽性反応を示しながら異例の判断で出場した。競技会の根底にある「公平性」が揺らぎかねない事態に、出場した選手からは否定的な声が相次いだ。 ワリエワ選手に対する処分の有無は確定していないが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、16歳未満の「要保護者」である点を重視し、出場を認めた。メディアからは女子SPの演技を終えた選手に対し、今回の問題について見解を問う質問が相次いだ。SP8位のアリサ・リュウ選手(米国)は「事件の詳細は知らないが、ドーピングをしている選手がクリーンな選手と競争することはフェアではない」と断言した。 ◇「ドーピングはドーピング」 「自分の競技に集中するだけ」として見解を明らかにしない選手もいたが、一部の選手は公然と批判した。ナターシャ・マッケイ選手(英国)は「明らかに公平な試合ではない。しかし、判断が出た以上、選手たちは従わないといけない」と怒りを隠さず、エバロッタ・キーブス選手(エストニア)も「ドーピングはドーピング。陽性反応が出た選手を出場させるべきなのだろうか」と首をかしげた。マライア・ベル選手(米国)は「非常に微妙な問題」と前置きした上で「クリーンなスポーツを支持する。五輪でこういうことが起きて残念」と嘆いた。 ◇「楽しみにしていたのに」メダル授与式ない可能性 関係者への調査などを経てワリエワ選手のドーピング違反が確定した場合は、五輪での成績が取り消される。17日の女子フリー後に出る公式記録にも、注釈を意味する「*(アスタリスク)」が付き、暫定的な扱いとなる。ワリエワ選手が3位以内に入れば、競技会場での表彰式と別会場でのメダル授与式は、ともに実施されない。 ワリエワ選手が出場してROCの金メダルに貢献した団体(4~7日)のメダル授与式も同様の対応で、大会期間中には行わないことが決まった。団体で2位に入った米国のメンバーの一人、カレン・チェン選手は「チームメートと一緒に表彰台に上がる瞬間を楽しみにしていた」と嘆いた。 一方、ワリエワ選手のチームメートでSP2位の昨季の世界女王、アンナ・シェルバコワ選手(ROC)は「その件に関してはコメントを控えたい」と言及を避けた。 SPでトップに立ったワリエワ選手は、演技直後の取材エリアでの報道陣の問いかけに一切答えず、上位3人が出席予定だった15日夜の記者会見を欠席した。 フリーの演技後の取材対応について、国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報部長は16日の記者会見で「彼女に記者会見に出るように強制することはできない。出席する可能性は非常に低いと思う」と説明した。渦中の当事者は、黙したまま五輪の舞台を去る可能性が高い。【小林悠太】
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今大会のフィギュアを破壊してしまった責任は重い。
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