日本の高梨沙羅(25=クラレ)らが失格となった北京五輪スキージャンプ混合団体のスーツ規定違反騒動で、国際スキー連盟(FIS)が大混乱に陥っている。全日本スキー連盟(SAJ)が意見書の提出を決めた中、ドイツスキー協会(DSV)も失格裁定の見直しを要求する方針を決定。他の〝被害国〟も追随してジャンプ界が分裂する可能性も出てきた。
SAJでは高梨の失格を受けて本人から聞き取りを行った上でFISに意見書を提出する動きが出てきたが、ついに〝大国〟がこぶしを振り上げた。
ドイツの放送局「ARD」の番組「スポーツショー」は「DSVが現在、失格の見直しを要求している」と報道。DSVでスキージャンプとノルディック複合を統括する要職にあるホルスト・ヒュッテル氏が、FISに対して失格の取り消しなど裁定の再考を要求する方針を明らかにした。同氏は「だまされない。女子選手は愚かではない」と怒りをあらわにしており、正式に協会として動く構えだ。
日本、そしてドイツが行動に移したことで、同じく失格裁定を下された国も追随する可能性が高まっている。オーストリア放送局「ORF」によると、同国スキー連盟でスキージャンプの責任者を務めるマリオ・シュテヒャー氏は「突然、厳格な管理が行われた」と不満を示し、ノルウェーの放送局「NRK」の報道では、同国スキー連盟のクラスブレーデ・ブローテン氏も今回の裁定を批判し「我々は五輪が終わる前に〝片付け〟なければならない」と言及。今後何らかの対応に打って出ることを示唆した。
失格者が出た国はいずれもジャンプはもちろん、冬季五輪における強豪国。FISとの対立姿勢を強めることになれば、同組織やジャンプ界の分裂に発展する事態も十分考えられる。
一方で、今回の大騒動を引き起こした〝元凶〟とも言われるフィンランド人検査官のミカ・ユッカラ氏に厳しい〝処分〟が下される可能性が出てきた。
ドイツ紙「フランクフルターアルゲマイネ・ツァイトゥング」によると、団体戦の混乱に大激怒した前任者のジョセフ・グラッツァー氏が「ユッカラ氏が大会後も続投することに疑問を持っている。まだフライング世界選手権といくつかのW杯が残っているが、彼のイメージはすでに非常に悪くなっていると思う」と指摘。今回の騒動の責任を追及し、今後は別の担当者に交代する必要性を訴えているという。当のユッカラ氏は「私は関係ない」と主張しているが、検査担当を〝クビ〟になるかもしれないのだ。
混迷を極めるスーツ騒動は、国際問題へと発展しそうな雲行きだ。
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失格取消しでも、順位に影響しないのは悲しい。検査官追放は当然でしょう。
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