命に関わる重篤な救急患者を受け入れる東京都内26カ所の「救命救急センター」のうち、少なくとも8カ所で患者の受け入れを制限するか、受け入れ切れない状況になっていることが朝日新聞の取材でわかった。新型コロナの感染爆発で、入院患者が急増したことが背景にある。第6波の影響は、高度な医療を担う救急医療の「最後の砦(とりで)」にまで及んでいる。
救命救急センターは、都道府県が脳卒中や多発外傷、心肺停止など特に危機的な患者向けの「3次救急医療」として地域の病院に整備し、都内には26カ所ある。東京消防庁によると、2020年は都外のセンターも含め約2万8千人を搬送した。
朝日新聞が、26カ所の救命救急センター設置病院に取材したところ、18日時点で都立広尾病院(渋谷区)、日本赤十字社医療センター(同)、東京医科歯科大学病院(文京区)、日本大学板橋病院(板橋区)、国立国際医療研究センター病院(新宿区)、東京医科大学八王子医療センター(八王子市)など少なくとも計8カ所が救急患者を受け入れ切れない状況にあると回答した。救急患者はほかの病院を探す必要に迫られることになる。
■看護師の1割、自宅待機でマンパワー不足
日大板橋病院は集中治療室(ICU)6床を含む60床をコロナ病床として用意している。酸素投与が必要な中等症以上のコロナ患者を受け入れ、1月下旬から満床に近い状態が続き、17日時点で50人が入院中だ。2月以降は、病院職員が家庭内で感染したり、濃厚接触者になったりするケースも増え、約900人の看護師の1割弱が自宅待機になり、人手不足が課題になっている。
同病院では7日から通常医療の検査入院や手術を3割程度に抑えているが、2月以降、通常7割弱の3次救急患者の受け入れ率が14%に低下。高橋悟院長は「心筋梗塞(こうそく)など急ぐ患者は可能な限り受け入れているが、病床が空いていないと取れない」と苦悩する。
「医師や看護師がコロナ患者に対応するため、救急要請を断らざるを得ないケースがある」。東京医科歯科大病院の担当者はそう打ち明ける。都の要請に応じ、多数の医療スタッフがかかわるコロナ患者の重症病床を、14日に6床から12床に増やした。16日時点で10床が埋まっている。
都心にある同病院は都内の離れた地域からもコロナ患者を受け入れ、一般外来の血液内科や消化器内科では新規の外来患者の受け入れを中止。コロナ以外の患者の手術を2~3週間延期して対応している。
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感染爆発、医療崩壊で、コロナ以外の重篤者も救えない状況でしょうか。
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