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2015年8月5日水曜日

遷宮特需あったが…2億円所得隠し 32業者に国税指摘

 2013年に「式年遷宮」でにぎわった伊勢神宮(三重県伊勢市)の地元の飲食店や宿泊施設など32業者が、名古屋国税局から計約2億1千万円の所得隠しを指摘されたことがわかった。伝票の破棄や裏帳簿を作って売り上げを除外するなどしたという。経理ミスを加えた申告漏れは計約2億8千万円に上り、追徴課税は重加算税を含め約5千万円とみられる。

 式年遷宮には、過去最多の約1400万人の参拝客があり、地元のシンクタンク「百五経済研究所」(津市)は3500億円を超える経済効果をもたらしたと試算した。「遷宮特需」で地元業者は潤い、所得の一部を隠した形だ。

 32業者は、伊勢神宮内宮、外宮の周辺にある飲食店や居酒屋、スナックのほか、三重県鳥羽市の観光ホテルや民宿など。

 関係者によると、内宮前の飲食店は、名産の松阪牛の仕入れと売り上げの一部を除外するなど約1千万円の所得を免れ、外宮近くにある居酒屋は売り上げを少なくして、約2千万円の所得をごまかしたという。

 また、鳥羽市の飲食店は、カキや伊勢エビの料理の売上伝票を破棄して約6千万円の所得を免れ、市内の民宿では裏帳簿で経理操作をし、約1500万円の所得を圧縮したとされる。

 こうした手口で32業者が2013年までの7年間で計約2億1千万円の所得を隠したという。計算間違いや記載漏れを含めると、申告漏れは計約2億8千万円に上った模様だ。

 隠した所得は、借入金の返済や仕入れ代金、家族名義の預金や生活費などに充てられたとみられる。

 遷宮特需で、売り上げを例年より約3倍伸ばした業者もいた。朝日新聞の取材に対し、「遷宮の時はよく売れたが、税金がたくさん取られ、頭が痛い」といい、別の業者は「売り上げの伸びた業者が狙われた」と話した。(保坂知晃、的場次伸)
(朝日新聞デジタル)

 正しく申告していなかった業者を公表すべきだろう。

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