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2015年8月25日火曜日

男性器切断 局部を園芸バサミで切断された弁護士 「機能」は回復するのか? 容疑者は元プロボクサーで慶応大院生 法曹界を目指していたのに…


 妻を乱暴されたと思い込んだ男は、相手の男性の局部に無慈悲な“私刑”を下した。東京都港区で男性の局部をハサミで切り取ったとして、傷害容疑で、小番一騎(こつがいいっき)容疑者(25)=中野区上高田=が逮捕された。小番容疑者は、元プロボクサー、現在は慶応大法科大学院生という異色の経歴の持ち主。法曹界を目指して勉学に励む真面目な学生との評判だった。想像するにも痛々しい事件。男性の「被害回復」は可能なのだろうか。

園芸用バサミで…ばっさり

 「うわー!」

 お盆まっただ中の8月13日午前7時半ごろ。東京都港区虎ノ門のビルから男性弁護士(42)の悲鳴が響き渡った。この10分ほど前、小番容疑者が、20代の妻と連れだって事務所を訪れていた。

 「妻が、お前に乱暴されたと言っている」。小番容疑者は男性にこんな内容の話を向けた。

 妻はこの事務所で事務員として働いていた。あいまいな返答を繰り返す男性に、小番容疑者は逆上。顔を数回殴って意識をもうろうとさせたうえ、妻の目前でズボンを脱がし、持参した園芸用バサミで局部を切り取った。

 男性の悲鳴を聞いたビルのスタッフが110番通報。警視庁赤坂署員が、血だらけで倒れる男性を発見し、近くにいた小番容疑者の身柄を確保した。

小番容疑者は当時、呆然とした様子で、切り取った局部については「トイレに流した」と供述。同署によると、“その部分”は、いまだに見つかっていない。

生殖能力に問題なし

 捜査関係者によると、局部は根本の部分を1センチほど残して切り取られていた。陰嚢は残されていたといい、専門医は「不幸中の幸い。生殖能力には問題がないだろう」とみる。その一方で「立って排尿ができないということは男性にとって心理的な負担が大きく、耐え難い屈辱感を生じさせる」と心情をおもんぱかる。

切り取られた局部は、治療で再生可能なのか。

 千葉県我孫子市の「メンズあびこ駅前クリニック」の石川勝也院長は、「女性が性転換するときに行うような再生手術になる」と話す。再生手術では、本人の腕や肩、腹部や大腿の皮下組織を含めた皮膚を、失った部分の根本に血管をつないで移植する。同様に神経もつなぐことができれば、性交渉も可能だという。ただ、神経をつなぐのはかなり困難で、成功例はごくわずかしかない。

 また性交渉には、局部にある程度の硬度が必要になるため、胸の中心にあって柔軟性が高い肋軟骨などを移植することもあるという。見た目を完全に再現することは難しいという。

きっかけは妻からの告白

 捜査関係者などによると、小番容疑者は2年ほど前から慶大法科大学院に通い始めた。妻とは同じ法曹を目指す仲間として意気投合し、入学からほどなくして結婚。一時は仲むつまじく暮らしていたが、妻と男性との仲を怪しんだ小番容疑者が妻を問い詰めると、妻は「男性弁護士から酒を飲まされ、性行為を強要された」と打ち明けたという。

 これが事実であれば、男性は妻に対し、準強姦にあたる行為をしたとみられるが、捜査関係者は「これまで当事者から警察への相談歴はないようだ」と話す。

 同級生から「人一倍正義感が強かった」とされる小番容疑者。当時、所属していた都内のボクシングジムのサイトには、ファイティングポーズを取る小番容疑者の画像とともに、プロフィルが示されていた。

 「目標・夢」の欄には「法曹」と記し、「好きなボクサー」には「蝶のように舞い、蜂のように刺す」というプレースタイルで世界的に知られたモハメド・アリの名をあげていた。

 男女の交際トラブルに端を発したとみられる今回の事件。小番容疑者は犯行直後、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で友人らにこんなメッセージを送っていたという。

《大変なことをしてしまった。先に(大学院を)辞めれば良かったが、時間がなかったのでみんなに迷惑をかけることになる。申し訳ない》

 男性であれば想像するだけでも痛みを感じてしまうような犯行は、関係者それぞれの人生にも、深い傷を残すことになった。
(産経新聞)

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